ステレオの産業史|コーラル
音への情熱を絶やすことなく、有終の美を飾ったコーラル。
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CORAL コーラル音響株式会社


コーラル BX-53
1967(昭和42年)
BX-53 バスレフ型 4ウェイ 5ユニットスピーカーシステム ¥39,000(1台)
クラシックソースと相性の良い落着きとほど良い渋さ。
 傾斜をもつバッフルに金糸を織り込んだサランが和室にも洋室にも良く合った。ゆとりの容積に5つの混成ユニットを4ウェイとしてまとめあげたバランスの巧さは、ユニットメーカーとしての強み。誇張感のないナチュラルな帯域バランスと豊かな低音の質感が心地良い、フロアー型の秀作モデルであった。
使用ユニット:30cmウーファー、ホーンスコーカー+16cmコーンスコーカーの並列駆動、9cmコーンツイーター、ホーンツイーター
再生周波数帯域:35〜20,000Hz、クロスオーバー周波数:800Hz、2,000Hz、8,000Hz 外形寸法:W635×H778×D424mm

コーラル BETA-101968(昭和43年)
BETA-10 
25cmフルレンジスピーカーユニット 
¥18.500

エネルギッシュなサウンドは
他に類のない個性。

 真紅のフレームに、サブコーンから突き出たイコライザー。この特異な形から得られる音は極めて個性的であった。
 初期の専用箱は、マルチパイプダクトの手の込んだものであったが、結局、5年後に発売されたバックロ
ードホーンの完成品で BETA-10本来の魅力が開花した。
再生周波数帯域:fo〜20,000Hz 
fo:32 インピーダンス:8Ω 

重量:4.6kg


コーラル A-550
1968(昭和43年)
A-550 インテグレーテッドアンプ ¥31,000
エコノミー・クラスのモデルでありながら、デザイン良さと機能の充実ぶりに驚いた。
 コーラルがトランジスター技術をもってアンプ部門に参入してから、かれこれ3年。その3年前といえばトランジスターアンプの草創期で、音の良さよりもトランジスターという素子の目新しさで関心を惹きつけていた。それだけに、各社の音の傾向は似たり寄ったりで、球党からは、「石臭い音」とという一言で片付けられていた。
 それでも、3年ほどの間にトランジスターアンプは確実に進化を遂げて、サンスイからは「AU-777」(¥57,700)というヒット作が登場した。価格の面からそれと同列に比較できないとしても「A-550」の木製ケースに収まった高級感あふれる意匠はなかなかのものであった。また、このクラスとしては、MC用ヘッドアンプ内蔵という凝りようである。
実行出力:18W×2(8Ω) 周波数特性:20〜40,000Hz 外形寸法:400(W)×146(H)×278(D)mm 重量:6kg

コーラル TA-7700コーラル TA-7700
1968(昭和43年)
TA-7700 
レシーバーアンプ ¥価格不明
時代を先取りしたデザインは、
一際目を引いた。

 レシーバー全盛の時代にあって、各社各用に独自のカラーを打ち出していた。その中で、一際目を引いたのが、このモデルである。価格は、5万円前後の中級クラスといったところであろう。スイッチを入れるとダイアルスケールがアクリルのパネルに浮かび上がりる仕掛けが心憎い。そして下部のパネル閉めれば実にシンプルな佇まいになる。この発想は時代を先取りしていた。また、ゆとりのパワーと機能の充実も申し分なかった。しかし、後継モデルを出すことなく、コーラルがアンプ部門から事実上撤退してしまったのは、なんとも残念なことであった。
実行出力;50W×2(8Ω) 周波数特性;20〜40,000Hz 外形寸法:457(W)×150(H)×420(D)mm 重量:12.5kg

コーラル BX-multi 1500 1970(昭和45年)
BX-multi 1500 バスレフ型 6ウェイ7ユニットスピーカーシステム ¥55,400(1台)
鳴りっぷりの良さはデモンストレーション効果抜群。
 当時の人気システムといえば、テクニクスのSB-500(¥34,800)やパイオニアのCS-10(¥57,000)など、中・高音にドーム型ユニットを使ったシステムが主流を占めていた。その潮流からみれば、コーラルの「BX-multi 1500」は、まさに異色のシステムといえた。市販モデルで6ウェイというのも前例がない。それだけにスピーカーで埋めつくされたバッフルの眺めは壮観ですらある。能率は高くパワーも入るので、その鳴りっぷりの良さは、店頭におけるデモンストレーションにおいて抜群の強みを発揮した。ただ、スピーカーと対峙して聴くには、やや不向きな性格で、広いリビングでスピーカーを意識せずに鳴らすのが本来の巧い使い方であろう。
使用ユニット:38cmウーファー、16cmコーンスコーカー、12cmコーンスコーカー、ホーン型スコーカー、
 9cmコーンツイーター、5cmホーン型ツイーター×2
再生周波数帯域:20〜25,000Hz クロスオーバー周波数:800Hz、1,000Hz、2,000Hz、10,000Hz
外形寸法;W497×H697×D395mm
 重量:38kg

コーラル BL-25D
1973(昭和48年)
BL-25D バックローディングホーン型 2ウェイス 2ユニットスピーカーシステム ¥73,800(1台)
バックロードホーンの人気を牽引したコーラル。
 当時、国内で発売されていたバックロードホーンのシステムといえば、タンノイのGRFレクタンギュラーとJBLのハークネスのみ。それを、わが国で最初に製品化したのがコーラルであった。
 もともと、量産には不向きなタイプのシステムだけに、しっかりと仕上げてあることに感心した。ただ、2ウェイのユニット配置が左右対称ではなく、サランを外して2台並べたときのアンバランス感は、なんともしがたい。当時の国内メーカー各社はこのことにまったく無頓着で、JBLのように、左右対称となる予備の取り付け穴を、めくら板で塞いでおき、使用者が付け直しできる極めて合理的な方法をどのメーカーも採用することがなかった。
 そうした不満はあるにしても、再生時の音離れは実に見事。とりわけ録音の優れたジャズやポップス、それにフィージョン系のソースでは、音が爽快に弾け飛ぶ感じで鳴る。
使用ユニット;25cmフルレンジユニット BETA-10、ホーンツイーター H-24 クロスオーバー周波数:6,000Hz
外形寸法;W450×H880×D440mm
 重量:36kg

コーラル CX-3
1976(昭和51年)
CX-3 バスレフ型 2ウェイス 2ユニット スピーカーシステム ¥29,500(1台)
ツイーターの向きを上下左右に変えられるアイデアは出色。一方、箱の徹底した補強は驚くほど。
 部屋の状況や聴く位置に応じてツイーターの向きを変えられるのは実に有効である。マニアなら実践していた方法であったが、製品化したのはコーラルが初めてである。同時に驚かされたのは箱の作りである。拳で叩いてみて、その硬さがよく分かる。重量は3万円クラスの中でも飛び抜けた重さで、クリアな中低域の再現性は価格を超えていた。
使用ユニット:20cmウーファー、6.5cmコーンツイーター 再生周波数帯域:35〜20,000Hz クロスオーバー周波数:2,500Hz
外形寸法;W320×H620×D400mm
 重量:21kg

1977(昭和52年)
コーラル M-100
M-100 
ドライバーユニット ¥52,000
当時の国産ドライバーとしては、抜きん出た存在。
JBLのドライバーに比肩する実力は今もって健在。

 JBLのLE175相当のモデルで重量もほぼ同じ。しなやかな表現力では「M-100」に分があるように聴かれる。と言ってアタックの鋭い音を不得手とするわけではない。適合ホーンは同時に発売されたセクトラルホーンとストレートホーンの他、JBLの各種ホーン(スロート径2.5cm)にも適合した。
 JBLドライバーのレプリカと言ってしまえばそれまでだが、当時の国産ドライバーで、これに匹敵するものがなかっただけに、その質の確かさは、今日においても立派に通用する。
再生周波数帯域:500〜18,000Hz インピーダンス:8/16Ω 
出力音圧レベル105dB(ホーン使用時)クロスオーバー周波数:500Hz以上
 
重量:4.2kg
コーラル H-1001977(昭和52年)
H-100 ホーンスーパーツイーター ¥32,000
国産初のホーンツイーターを製品化した
コーラルの自負が感じられる正統なつくり。

 上記ドライバーユニット「M-100」とペアとなるべく開発されたホーントゥイーターである。 もちろん、 他社のフルレンジユニットと組み合せても全体のグレードが確実にワンランク、アップしたと実感させる対価がある。 ちなみに、 この「H-100」がアルテック初の4wayシステム「Model-6041」に使われていたことは、以外と知られていない。
再生周波数帯域:7,000〜30,000Hz クロスオーバー周波数:7,000Hz以上
インピーダンス:8Ω 出力音圧レベル110dB 
重量:3.8kg


コーラル DX-ELEVEN
1985(昭和52年)
DX-ELEVEN 密閉型 4ウェイ 4ユニットスピーカーシステム(左右対称型)¥138,000(1台)
コーラルが威信を賭けてつくり上げた最後の高級システム。

 このモデルが登場した'85年は、CDが登場してから2年目を迎え、CDプレーヤーの売り上げが加速した年である。
不況のオーディオ界にあっては、革命的なデジタルディスクに、大きな期待を寄せながらも、各社の技術レベルの格差がもろに出た年でもあった。スピーカーシステムもその例外ではない。総合大手、中堅専業を問わず、生き残りを賭けて、採算を度外視したシステムを登場させ、技術的アピールと微妙な音の違いで優劣を競いあっていたのである。
 そうした中で、目立たないながらも説得力のある音を聴かせたのが「DX-ELEVEN」であった。この系譜は1980年に登場の「X-V」の成功にさかのぼる。 
 以来、改良を重ねながら、4ウェイの「DX-ELEVEN」に昇華した。特にハードドームスコーカーのクロスオーバーが280Hzと十分に低く採られ、ローレベルにおけるリニアリティの再現性は、なかなかのものであった。
使用ユニット:31cmウーファー、10cmハードドームスコーカー、6cmハードドームツイーター、
 2.2cmハードドームスーパーツイーター

再生周波数帯域:25〜40,000Hz クロスオーバー周波数:280Hz、4,000Hz、8,000Hz
外形寸法:W395×H746×D380mm 
重量:40kg

コーラル雑感
 1960年代、コーラル音響は、パイオニア、松下電機(現パナソニック)に並ぶスピーカーユニットの生産量を誇った。60年代後半頃からは、当時の主流だった家具調のセパレートステレオを始め、プリメインアンプ、レシーバー、プレーヤーシステム、それに本流のスピーカーシステムのラインナップで総合ブランドへの脱皮をはかったが、業種間の競争激化でスピーカーユニットとスピーカーシステムの専業に徹する道を選んだ。
 80年代に発売されたブックシェルフタイプのXシリーズ、その後継モデルのDXシリーズは、多くのマニアから支持を受けたのである。しかし、90年代初頭、オーディオ産業界の構造不況が深刻化するなかで、静かに幕を降ろした。


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INDEX

1881〜1945
立体音の発見と
二つの源流

1946〜1957
日本の戦後復興と
Hi-Fiへの熱き試み

1958〜1965
幕を開けた
ステレオの時代

1966〜1970
開花する日本の
独創技術

1971〜1980
4チャンネル騒動と
成熟の頂きに立った
コンポーネント

1981〜1990
AV時代の到来と
CDの登場
INDEX

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ACCUPHASE
AUDIO TECHNICA
CORAL
DENON
DIATONE
EROICA & UESUGI
FOSTEX
GRACE
LIVING AUDIO
Lo-D
LUXONKYO
PIONEER & EXCLUSIVE
SANSUI
SONYSTAXTECHNICS
TRIO & KENWOOD
VICTOR (JVC)YAMAHA

アンサンブルステレオと
セパレートステレオ


*海外ブランド 
ALTECAR
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JORDAN WATTSMARANTZ
MclNTOSH
ORTOFON
SMETANNOY







 


















 

 

 














































 















































































































































































































































































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