ステレオの産業史|リビングオーディオ
システム・アセンブリーのベンチャー。
アルテック・サウンドを標榜してヒットを連発。
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LIVING AUDIO クライスラー電気株式会社


リビング・オーディオ CE-4a1970(昭和45年)
CE-4a
密閉型 12cmフルレンジスピーカーシステム
¥9,800(1台)

帯域の広さを欲張らず、
はったりのない中域重視の明るい音。

 使用ユニットは、同社が、一連のシステムのスコーカーに使用したもので、刺激感のない明るい音が特長。一般にこの手の小型システムに低音を期待するのは無理だが、それでも、本棚に本を詰め込み、延長バッフルとして生かせば、低音の不足を補うだけではなく、ステレオ音場の広がりにおいても優位に働く。
 さらに、このシステムを生かしてやろうと思えば、あとワンペア加えて無指向性化やマトリックスサラウンドで聴くのも面白い。ネットワークを持たないフルレンジユニットの小型システムだからこそできるメリットである。
使用ユニット:12cmフルレンジユニット
再生周波数帯域:75~15,000Hz
外形寸法:W138×H220×D170mm
重量:1.5kg

リビング・オーディオ CE-5acll

1970(昭和45年)

CE-5acII
密閉型 3ウェイ3ユニットスピーカーシステム 
¥24,900(1台)色違いのサランネット3枚付き

密閉ブックシェルフでアルテックトーンに挑戦。
 音づくりにおいて、臆せずはっきりと、アルテックトーンを標榜するするあたりは、同社のプロデュースセンスの巧みさを思わせた(当時はJBLよりもALTECの人気が上位)。その甲斐あ
って、長いこと売れ筋上位にランクされたモデルである。
 勿論、2万円台のシステムに、アルテックのホーンドライバ
ーで得られる豊麗で彫りの深い響きは望むべきもないが、ともかく、音が張り出すアルテックの特長を巧く捉えていた。
上級クラスの「CE-1acII」は、30cmウーファーを使用し、低域の伸びでは勝るものの、音の表情に大きな違いはない。ネットワークに同一ものを使用しているせいでもあろう。
 なお、バッフルボードのフィニッシュをこの様に奇麗に仕上げたのは、リビングオーディオが最初で、後に各社が挙って採用した。
使用ユニット:20cmウーファー、12cmスコーカー
 5cmホーンツイーター
再生周波数帯域:35〜20,000Hz
クロスオーバー周波数:800Hz、5,000Hz

外形寸法:W270×H445×D300mm
重量:8kg


リビング・オーディオ CE-2acll1970(40年)
CE-2acII
密閉型 3ウェイ3ユニットスピーカーシステム
¥46,900(1台)色違いのサランネット3枚付き

音の良さだけではなく、
商品的魅力を十分に兼ね備えた
中堅モデルの筆頭。
 リビングオーディオは、自社でユニットをつくっていない。売れると見込んだ企画も、協力会社なくしては試作もままならない。このモデルを目にしたとき、ベンチ
ャーの同社が、よくぞ他社に伍して、というよりは、他社を超える形で完成させたことに正直驚いた。しかも、マニアの趣向心理を巧みについたホーンのデザインは、いかにも、いい音が響いてきそうないい形をしている。
 実際に鳴る音も、その期待を裏切らない。アルテックトーン張りの彫りの深い音を確かに響かせる。ただ、バランス上、ホーンスコーカーの能率が高く、レベコンで絞りきれない。このような場合、ホーン前面にウレタンフォームなどを当てることで減衰できる。この方法は、他の用途にも使えて大変便利。
使用ユニット:30cmウーファー、
 マルチセルラホーンスコーカー、マルチセルラホーンツイーター

再生周波数帯域:25〜20,000Hz 
クロスオーバー周波数:800Hz、5,000Hz
外形寸法:W365×H600×D300mm

重量:16.5kg



リビング・オーディオ Lab-1000
1975(昭和45年)
Lab-1000
 
バスレフ型 3ウェイ3ユニット
スピーカーシステム

¥139,000(1台、左右対称型)
国産離れしたデザインと、
リニアリティーに富んだ音。

 このデザインは、今にしても、実に斬新で洗練されている。
これまでのアコースティックタイプの密閉型から、フロアー型のバスレフタイプへとコンセプトを一新した高級機である。
新たに開発されたウーファーと、ドライバ
ーの振動板は、従来の支持構造とは、まっ
たく異なるもので、その品質管理は、さぞかし大変かと思われた。
 再生される音はリニアリティーに富み、楽器固有の響きに鋭敏に反応する。
 残念なのは、このモデルの発売以降、業社間の競争激しく、クライスラー電気が、社業の幕を降ろしたことである。
使用ユニット:30cmウーファー、
 マルチセルラホーンスコーカー、
 マルチセルラホーンツイーター

クロスオーバー周波数:800Hz、5000Hz
外形寸法:W540×H850×D400mm
重量:45kg





リビングオーディオ(クライスラー)雑感
 同社の製品は、一般に「クライスラー」の名で知られているが、ここに紹介したシステムは、「リビングオーディオ」のブランドネームが使用されていたので、それに従った。
 クライスラーの前身は、モダンなファニチャーの製造と販売が専業で、そのセンスとキャリアを生かして、エンクロ
ージャーを売り出したのがオーディオ業界進出への第一歩であった。1960年代半ばの頃のことである。
以来、スピーカーシステムの製造にも乗り出したが、別に気にとめるべき製品の出現はなかった。それが、この一連のシリーズモデルで、俄然注目され、売れ筋商品の上位にランクされるまでになったことには驚いた。その背景には、経営陣の側近、もしくは外部に、優秀なプロダクトプロデューサーが、いたのではないかと思われる。
 もう一つ、同社には驚いたことがある。ショールームを訪れてのことだが、一般にショールームといえば、自社製品しか置いてない。それが、当時のマニアにとって、垂涎の米ブランド「ALTEC」の代表モデルが、整然と並び、「どうぞ我が社の製品と聴き比べてください」と、いうことを堂々とやっていた。
 この大胆な戦略が功を奏し、スピーカーブランドとして名を高めたリビングオーディオが、業社間の競争に巻き込まれ、身請け企業が名乗りを挙げることもなく、消えていったのは、実に残念なことであった。


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