ステレオの産業史|デンオン
アナログとデジタル、それぞれの時代に足跡を残す。
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DENON 日本コロムビア株式会社(現・株式会社ディーアンドエムホールディングス)


デンオン PUC-7D1960(昭和35年)
PCU-7D 局用MCカートリッジ
モノラル時代の「PUCシリーズ」をベースに開発された
ステレオMCカートリッジ。

 この年にはグレースのMCカートリッジ「F45」も登場している。オーディオ評論の大御所であった故・池田圭氏は、「PUC-7D」と「F45」を聴き比べ、「PUC-7D」は、ディスクのカッティングとプレスと盤質がうまくいっていれば、マスターテープに最も近い音と高く評価し、常用していたとの記述がある。しかし針圧が6gは必要であったことや、ステレオ録音のディスクの進歩に対応することが難しいとの判断で、早晩、現役引退となった。

デンオン DL-1031964(昭和39年)

DL-103 局用MCカートリッジ 発売当時の価格¥16,500 現行価格¥35,000(税別)
今もなお現役のMCとして受継がれているのは
基本設計の卓抜さゆえ、なのであろうが・・・。

 NHK技研がFMのステレオ化に備えて準備を始めたころ、当然カートリッジをどうするかが研究のテーマになり、内外のカートリッジのテストが繰り返された。その結果オルトフォンの「SPU」に白羽の矢が立ったのである。もちろん「SPU」をそのまま使用する訳にはいかず、上記の 「PUC-7D」 のMC開発で実績のあるデンオン(当時の日本電気音響)との共同開発で完成したのが「DL-103」誕生の経緯である。当然、基本構造はオルトフォンと同じ。ただ安定性という点では細部に独自の創意が加えられたようである。
 「DL-103」が一般に市販された頃には、それを超える国産MCが幾つか存在した。 「FR」、「サテン」、「東京サウンド」など。 重要なのは、「DL-103」が放送システムの一部であったことで、それを忘れてはならない。

デンオン DA-302 1964(昭和39年)

DA-302 DL-103用スタティックバランス型トーンアーム ¥15,000
針先の弾性とアームの等価質量が最適値になるように設計されたDL-103専用アーム。
 「DL-103」をヘッドシェルに差し込み固定するだけで2.5gの適正針圧が得られる。あくまでも業務用に徹したつくりで、他のトーンアームと同列に比較し評価することはできない。


1972(昭和47年)

DP-3000 
ダイレクトドライブ・ターンテーブル ¥43,000D
中級DDターンテーブルとしては、異例のロングセラーモデル。
 それだけに、性能は安定していて、その評価がさらに支持を広げる結果となった。
ターンテーブル:30cmアルミダイカスト製1.1kg 外形寸法:W370✕139✕D374mm 重量:6.7kg


1973(昭和48年)
DK-100 
積層合板プレーヤーケース ¥19,000
カスタムプレーヤーをつくるのには欠かせない
積層合板のプレーヤーケース。
 当時の東京・秋葉原と大阪・日本橋では、デンオン用と称して、アーム2本が取り付けられるプレヤーケースも多く売られていて、デンオンの人気を裏付けていた。DK-100の積層合板はラワン製で厚さは90mm。
取付可能トーンアーム長:350mm以下 
外形寸法(アクリルカバー含む):W530✕H170✕D420mm
 
重量:6.7kg


デンオン DL-103S1974(昭和49年)
DL-103S 
CD-4用(4チャンネル)MCカートリッジ ¥27,000
通常のステレオ再生でも、可聴帯域の上限を超える特性によって、
ステレオ・フォニックな繊細感が一段と向上。
 日本ビクターが開発したCD-4(コンパチブル・ディスクリート・4チャンネル)は規格統一がならず、あっけなく市場から姿を消してしまったが、その技術は、このカ
ートリッジの特性を大きく引き上げることに繋がった。


デンオン PMA-255
1975(昭和50年)
PMA-255 インテグレーテッドアンプ ¥86,500
デンオンブランドの堅実さが音と形に現れた佳作。
 コンポブームの中にあって、10万円を優に超すプリメインもそう珍しくはなくなっていた。そうした中にあって、目を惹くセールスポイントが特別にあるわけでもなく、完成されたトランジスター技術を巧く活かした中級モデルとして好感がもてた。また、落ち着いたデザインも好ましく、それに見合った豊富な機能も良く整理されて扱いやすい。
実行出力:55W×2(8Ω) 消費電力:140W 外形寸法:W396×H147×D290mm 重量:11.2kg


デンオン PRA-1001デンオン PRA-10011976(昭和51年)
PRA-1001 コントロールアンプ ¥138,000
デンオン初のトランジスタープリ。
 当時の国産プリの価格としては中クラスだが、内容は価格を上回る。
消費電力:16W 
外形寸法:W410×H152×D271mm 
重量8kg


デンオン POA-1001デンオン ;POA-10011976(昭和51年)
POA-1001 パワーアンプ ¥178,000
モノラルアンプ2台を連結した
コンストラクションは信頼に足る。

 単にアメリカ・マランツの model 15 と同じ、という理由だけではなく、本来、ステレオパワーアンプはこうあるべきだと思う。それだけでも満足度を十分に満たす。
実行出力:140W×2(4Ω)、100W×2(8Ω) 
消費電力:260W 
外形寸法:W410×H200×D280mm 
重量:22kg


デンオン SC-107
1977(昭和52年)
SC-107 密閉型3ウェイ5ユニットスピーカーシステム(左右対称型) ¥75,000(1台)
デンマーク製のユニットでアセンブリーされたシリーズのトップモデル。
それだけにソースを選ばず破綻がない。
 コロムビア時代のシステムには、アンサンブルステレオの流れを汲むような大型システムがラインナップされていたが、デンオンブランドになってからは、これといって、注目すべきものがなかった。それだけに、このモデルの出現には驚き、且つ惹き付けるものがあった。
 一見なんの変哲もないオールコーンのシステムだが、それだけに、エージングなどという面倒なことをせずに、最初から音のバランスが整い、なんとも巧く鳴ってくれる。クロスオーバーに無理がない、ということも理由であろう。 それに国産の画一的なデザインの中にあって、シンプル且つエレガンスな趣が大変に好ましく思われた。
使用ユニット:25cmウーファー×2、10cmコーンスコーカー、5cmコーンツイター×2 クロスオーバー周波数:500〜4,000Hz 
インピーダンス8Ω 外形寸法:W390×H700×D347 重量:23kg


1981(昭和56年)
DP-75M クォーツロック・ダイレクトドライブ・プレーヤー ¥180,000(S字型アーム付属、アクリルカバー付き、カートリッジ別売)
ディスク再生のツボを抑えた無駄のない実力機。
 市販ターンテーブルDP-75(¥65,000)と、新たに開発されたスタティックバランス型のユニバーサル・アームを、鏡面仕上の高密度積層合板(90mm厚)に収めたマニュアル・プレーヤーの高級機。この価格帯のプレーヤーには、パイオニアPL-70LII(¥170,000)とビクターQL-A93(¥170,000)があり、共通するのは、使用カートリッジに合わせてS字型ア
ームが付属していることと、プレーヤーケースの徹底した無共振化と防振対策である。そうした意味で、三者のどれを選んでも性能の満足度は極めて高い。ただ、ビクターは意匠に凝りすぎの感じ。私的な好みを挟めば、1万円高い分、デンオンはそれに見合った出来。理由は、アームを含めた意匠と全体のバランスが、大変に良くとれていることであった。
ターンテーブル:亜鉛ダイカスト30.8cmとアルミダイカストの2重構造 外形寸法(アクリルカバー含む):W555✕H198✕D460mm
重量:23kg 


デンオン雑感

 かつてはDENONを「デンオン」と発音した。しかし、海外では「デノン」としか発音されない、ということで「デノン」の呼称になった。そのDENONのルーツは戦前の1939年(昭和14)、日本電子音響(略して電音)の創業にさかのぼる。早くもこの年には、HNKにわが国初の円盤式録音再生兼用機(昭和天皇の玉音盤はこれでつくられた)を納入している。いわば先端電子工学の技術者が集まった組織であったと思われる。
 戦後アメリカでLPレコードが発売されると、当時最も評価の高かったフェアチャイルド社のMCカートリッジの基本構造を基に局用のモノラルMCカートリッジをNHK技研と共同開発するなど、常に業務用放送機器の開発と供給の道を歩んできた。
 1963年(昭和38)には、日本コロムビアに吸収合併され、同社の業務用部門「DENON」として新たなスタートをきった。その「DENON」が拓いた技術革新といえば、1972年(昭和47)、NHK技研の研究を引継ぐ格好で実用化した世界初のPCM(Pulse Code Modulation)レコーダーによるPCMレーコーディングが挙げられよう。
 その第一弾には、打楽器奏者のツトム・ヤマシタを起用。以後、わが国のレコード会社としては初めて、クラシックの PCM 録音をヨーローッパ各地で行い、日本コロムビアのレーベルで発売されて好評を博した。しかし、日本コロムビアの業績不振により、その後のDENONは、紆余曲折の道を辿るのである。
 現在は、日本マランツと共に事業持株会社「D&Mホールディングス」のグループ・カンパニーとして、A&Vのコンポ
ーネントを中心に、多くの製品を送り出している。


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