ステレオの産業史|ローディ
「技術の日立」の家電ステレオから、
本格コンポーネントのローディ・ブランドへ。
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Lo-D 株式会社 日立製作所


ローディ HS-500
1969(昭和44年)
HS-500 バスレス型 2ウェイス 2ユニットスピーカーシステム ¥65,000(1台)  
ローディブランドの第1号機として誕生した2ウェイの秀作システム。
 このシステムの音の良さを語るとき、先に発売されたユニットの優秀性をまずは挙げなくてはならい。
20cmウーファー「L-200」(¥13,000)のエッジは、かつてない独創的なものでギャザードエッジと呼ばれる。とにかく国産のユニットにありがちな鈍重な感じがなく、音離れがすこぶるいい。
 ホーンツイター「H-70HD」(¥24,000)も素晴らしいつくりである。ホーンはアルミ材から削りだした音道の長いもので、カットオフぎりぎりの1,500Hz付近でも音がへたることがない。音の表情は、ややクールな性格ながら刺激感が皆無で、音の芯を克明に描き出す。この完成システムの価格は、当時の国産システムとしてはトップクラス。それだけにユニットの良さを活かして見事にまとめられていた。なのに、サランの素材や色調は、お世辞にもセンスがいいとはいえない。そこがなんとももどかしい。
再生周波数帯域:40〜20,000Hz(ー15dBの無響室での測定30〜20,000Hz) クロスオーバー周波数:3,000Hz
外形寸法:W360×Hさ610×D347mm 重量:22kg

ローディ HS-1400WA1974(昭和49年)
HS-1400WA
スーパーウーファー搭載 3ウェイ3ユニットスピーカーシステム 
¥65,000(1台)

マニアの低音願望に応えた
世界でも類のないスピーカーシステム。
 自作や完成品を問わず、スピーカーシステムで最もコストのかさむのが重低音の再現である。このマニア願望に応えた 「HS-1400WA」 のコンセプトは、まことに要を得たものであった。
 ボックス内のエア・ボリュームを利用して満足ゆく低音を出そう、という発想は何もローディのオリジナルではないにしても、製品化してみせた努力は大いに買いたい。
 初期モデルの誕生は、ローディ・ブランドの誕生した1969年だから、相当の長きに渡り人気を得ていたことになる。しかし、このモデルのヒットに他社が追随しなかった理由にソースの問題があった。殊にレコ
ード再生の場合、ターンテーブルの回転振動や、プレーヤー・システム全体の防振対策が十分でなければ、重低音の与える悪影響の方がむしろ大きかったからである。
 ともかく、今時はやりのアクティブ・サブウーファーのゴリ押し的な低音よりも、ごく自然な低音が得られていたように思う。なお、ボックス内のバッフルに下向き方向でマウントされた20cm口径のスーパー・ウーファーは、OFFにすることも、また単独で鳴らすこともできたので、いろいろな実験を試みる楽しみも大いにあった。
外形寸法:W438×H1157×D370mm 
再生周波数帯域:25〜20,000Hz(−15dBの無響室での測定)
重量:34kg


ローディ HMA-95001978(昭和53年)
HMA-9500 
MOS FETによる左右独立2電源DCパワーアンプ  ¥230,000
ローディのアンプ群の中で、最も信頼に足る存在感。
 '70年代中頃より、ソリッドステート・アンプはV-FETあるいはA級アンプと、多彩な新技術の投入で質の高さを競い合うアンプが数多く登場した。とりわけ、20万前後の価格帯のパワーアンプはその激戦区で、カタログデータでは、到底、甲乙付け難いモデルで溢れていた。その中で、一際頼もしい存在感を示していたのが「HMA-9500」である。
 意匠からして、これまでのあか抜けないローディのアンプとは思えないほどで、DCモノアンプ2台を整然と並べた隙のないコンストラクションは信頼感に溢れ、それから得られる磨き込まれたスピーカーのドライブ能力には、大いに満足すべきものがあった。
実行出力:120+120W(8Ω) 消費電力:350W 外形寸法:W435×H192×D410mm 重量:28kg

ローディ TU-1000
1981年(昭和56年)
TU-1000 
クオーツロック・ダイレクトドライブ・ターンテーブル・システム  ¥250,000
大袈裟に走らず完璧を貫いた実力派。
 CDの登場を翌年に控えたこの時期、これまでに無かった超高額のプレーヤー・システムやターンテーブル・ユニットが相前後して登場した。例えばエクスクルーシブのカートリッジレス・プレーヤー「P-3」(¥600,000)、マイクロの糸ドライブ・ターンテーブル・ユニット「RX-3000/RY-3300」「¥300,000」が、それに当たる。しかし、その作りはコンセプトを異にしても、歌舞伎役者が大見栄を切るイメージに重なって、レコードをその時の気分に合わせて楽しむには、何とも大袈裟な雰囲気が嫌だった。
 その対極にあったのが「TU-1000」の良さである。直径33cm、重さ6kgのターンテーブルをこの最小の大きさにまとめあげたことを高く評価したい。さらに制動材をサンドイッチした積層合板の筐体、万全のハウリング対策、勿論、肝心の回転系に投入された先端テクノロジーの実力は並ではない。これに好みのアームとカートリッジの組み合わせ方次第で、あの「P-3」に比肩するプレーヤー・システムが約束された。
ターンテーブル:特殊防振処理のアルミダイキャスト33cm、6kg 
本体サイズ:W532×H200×D448mm 電源部サイズ:W125×H84×D317mm
本体重量:38kg 電源部重量:3.4g



ローディ雑感
 通称、亀の子マークの「日立」は、戦後の日本経済を牽引した総合電気メーカーから、グローバル・スケールの複合企業体に躍進した。かつて、その日立グループの一角にあった日立家電が、ステレオ・コンポーネント・ブームの高まる1969年に誕生させたのが「ローディ」(Lo-d:Low Distortion=低歪)ブランドである。
 その「ローディ」の名が示す「低歪」のコンセプトは、堅実なまでに一貫していた。いわば日立の伝統でもある誠実な物づくりの姿勢が、時として、欧米の名高いコンポーネントの美音に馴れ親しんだオーディオ評論家の感性には、必ずしも合致しないという誤算を招くこともあった。確かに、ローディのコンポーネントは物理的に優秀でも、音の表情が平板であったり、一見、手を尽くしたと思われるデザインが洗練に至らない、というもどかしさも常に感じていた。
 しかし、そうした傾向は何も「ローディ」に限ったことではなく、他の大手家電メーカーのコンポーネント群と共通する弱点でもあったし、成熟への関門であったと思う。ところが、成熟への時を稼ぐことができないままに、オーディオ不況に飲み込まれてしまった。このことは、日立の総合力で生まれた優れた技術資産を封印してしまったことで、惜しい思いが今でも残る。


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