ステレオの産業史|テクニクス #1
家電王国の底力が見事に開花
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TECHNICS 松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)
#1 / 1954〜1969 * #2 / 1971〜1977 * #3 / 1977〜1986 * #1 / 1988〜1992


ナショナル 8PW11954(昭和29年)
8PW1
20cmフルレンジスピーカーユニット ¥3,900
松下電器時代の本格的なHi-Fiユニット
 通称ゲンコツの名で、基本を変えずに20年以上にわたり現役であり続けた名作ユニット。
 ゲンコツといわれたイコライザー球は、コーン中心部と外周部の音の位相差を無くし、楕円状のコルゲーションは、中高域のディップを解消してフラットなレスポンスを可能にしたという。
 松下電器の時代から「特性が良くなければ音は良くない」という姿勢が貫かれており、特性表を添付して品質を保証していたことは、当時の業界では稀なことである。発売の翌年には、パナソニ
ックのブランドで輸出された。
再生周波数帯域:fo〜16,000Hz fo:40〜60Hz
出力音圧レベル:94dB インピーダンス:8Ω

重量:1.26kgナショナル  STM-5B
1959(昭和34年)

STM-58 
MMカートリッジ付 インテグレーテッドピックアップ 価格不詳
わが国初のステレオMMカートリッジは、ダイナミック型アームとの一体構造。
 ステレオレコードが発売された翌年に発売。一体構造の高感度・軽質量のダイナミック型アームは、ピポットベアリングのダブルバランス方式で、プレーヤーが多少傾斜しても、ステレオレコードを3gで安定にトレースすることができた。当時、3gといえば超軽針圧で、しかも、カートリッジの発電機構が、極めて合理的且つシンプルであったことから、早々に多くの類似品が登場することになった。

テクニクス 11965(昭和40年)
Technics 1
密閉型 2ウェイ 2ユニットスピーカーシステム ¥18,000(1台)
テクニクスブランド第1号の超小型システム。
幸先良くヒットに繋げて成功を収めた。

 大きな組織でなく、少数のスタッフで、スピーカーを開発しよう、とういくことでスタートしたのが「Technics」である。後に松下電器のオーディオブランドとして、世界的な規模に発展したのはご存知の通り。その記念すべき第1号モデルとして成功を収めたシステムである。
 この時期、英国グッドマンの超小型システム「ミディアム」がわが国でも話題になっていたので、その二番煎じと思われていた節もあるが、開発時期は、ほぼ同じであったという。
 松下電器では、超小型システムで低音を再生する研究がすでに行われており、振動板のマスを増やすことで最低共振周波数を下げることに成功していた。それによって開発されたのが、この1号モデルに採用された12cmウーファーであるテクニクス 1 使用ユニット
 このシステムの奥行サイズは丁度A4。文字通りのブクシェルフタイプで、優に標準的なシステムに匹敵する低音が得られた。ツイーターは価格を超えた名作「5HH17」。
使用ユニット:12cmウーファー/12PL50、ホーンツイーター/5HH17
再生周波数帯域:20~20,000Hz クロスオーバー周波数:3,500Hz
外形寸法:W164×H297×D210mm 重量:4.4kg


テクニクス 5HH17/5HH451965(昭和40年)
5HH17 
ホーンツイーターユニット ¥2,000
価格を超えたホーンツイーターの名作。

 樹脂系のダイアフラムにショートホーンを付けたシンプルな構造が、安定した特性と大量生産を実現させた。
 当初、特性検査をした技術者が、あまりにもフラットな特性に、測定器の故障ではないかと上司に申し出た、というエピソードがある。
 かくして、’66年のサンスイ「SP-100」のシステムに使われ、空前のヒットをもたらした。以来、各メーカーは挙って採用。また自作用としても売れに売れたツイターである。
再生周波数帯域:3,500~20,000Hz 
クロスオーバー周波数:3,500H以上 
インピーダンス:8、 16Ω

1965(昭和40年)
5HH45 
ホーンツイーターユニット ¥8,900
5HH17の磁気をパーメンジュールにした高級バージョン。

 ダイアフラムは「5HH17」と同様。ホーンはアルミに変更され、磁気はパーメンジュンジュールで強化された。ショートホーンのため指向特性に優れ、繊細な表現力は、同価格帯のツイーターの中でも傑出していた。
再生周波数帯域:3,000~20,000Hz 出力音圧レベル:102dB クロスオーバー周波数:3,500Hz以上 
インピーダンス:8Ω、16Ω 
重量:1.3kg

テクニクス 5
1966(昭和41年)
Technics 5
 
密閉型 3ウェイ3ユニットスピーカーシステム
¥98,000(1台)

テクニクスのレコードコンサートで
活躍した最高級スシステム。

 当時、YL音響のホーンシステムを除けば、わが国で最も高価なシステム。それも、大型のダイカスト製セクトラルホーンが収められた、このフロアー型システムの威容は、この道の愛好家の関心を大いに惹き付けたのである。
 テクニクスは、松下電器の時代から、ユニットの併売を基本としてきた。 それが、テクニクスになって、より着実に、ハイグレードユニットの開発環境が整ったことになる。 テクニクス 5 使用ユニット










 当時、テクニクスショールームのあった東京新宿の小田急デパードでは、このシステムを下記のリニアトラッキングプレーヤーと、球のOTLアンプの豪華組み合わせで、レコードコンサートを開催していた。ビートルズが来日し「FM fan」が創刊された年である。
使用ユニット:30cmウーファー/30PL40
 ホーンスコーカー/25HM05、ホーンツイーター/5HH45 
クロスオーバー周波数:600Hz、5000Hz
外形寸法:W660×H940×D464mm(ホーン突起部120mmを含む)
重量:45kg


テクニクス 100P
1966(昭和41年)
Technics 100P
 リニアトラッキング・プレーヤーユニット
60,000(ユニット本体のみでカートリッジ別) 専用プレーヤーケースFP-001 / ¥8,500
トーンアームの弱点を根本から解消した、わが国初のリニアトラッキング・プレーヤーユニット。
 レコードをカッティングする際、音溝を刻むカッターは溝の接線に向かっている。しかし再生する際は通常、支点から円弧を描くトーンアームを用いる。これでは、ある一点以外は接線方向と異なる角度で音溝に接することになり、これがトラッキングエラーで、音溝と針先がミスマッチの関係になるわけだ。
 この「Technics 100P」のリニアトラッキングアームでは、カッターヘッドと同様に、レコードの中心を直線移動するため、トラッキングエラーとインサイドフォースによるトレーシング歪は、実質「0」になる。しかも、カートリッジのコンプライアンス性能が良ければ、針圧1グラムで安定にトレースする優れものであった。
 一方この年、マランツからも同様のプレーヤー「SLT12」が登場。カートリッジ(シュアのMM型)が固定式で、交換のできないことが欠点であった。
ターンテーブル:30cmアルミダイカスト製1.5kg 駆動方式:ベルトドライブ
プレーヤーユニット外形寸法:W450×H160×D370mm *
重量:8.5kg

テクニクス 20A
1966(昭和41年)
Technics 20A  
左右独立2電源 OTLパーワーアンプ ¥135,000
出力段に5極管50HB26を20本使用。当時としては別格のOTLパワーアンプ。
 テクニクスブランド初のパワーアンプ。 ペアとなるコントロールアンプには、球の「Technics10A」(¥63,000)があった。前年には、ソニーがオールシリコントランジスターの高級プリメインアンプ「TA-1120」をもってオーディオ市場に初参入し、話題をさらった時期でもある。
 テクニクスは、TR化はまだ時期尚早と、ソニーを遥かに上回るパワーアンプで迎え撃ち、しかも、後のトランジスターアンプの主流となるOCL方式とLR独立2電源方式をすでに採り入れていた。当然、TRアンプの弱点であるスピーカーの選り好みがなく、国産の16cmクラスのフルレンジから、タンノイ、アルテック、JBLなど、性格の異なるシステムを危なげなく朗々と鳴らした。
 なお、20本の出力管を半分にし、小出力アンプとして使用することもできる。ただ、通常で使用時した場合の消費電力と発熱量は並みではなく、特に夏場は、手軽に使えるアンプとはいえ難い。
実行出力:60W+60W(16Ω)、30W+30W(8Ω)消費電力:500W 外形寸法:W380×H185×D370mm 重量:23.5kg

テクニクス 30A
1968(昭和43年)
Technics 30A 
管球式コントロールアンプ ¥74,000
マランツ#7の亜流ではなく、独自の回路構成でマランツ#7と肩を並べた。
 テクニクス初のコントロールアンプ「10A」の改良型。「10A」も、内容的には、かなりの出来であったことは認めても、パネルのデザインや色調、操作性に、家電松下の野暮ったさが残っていて、手放しで誉められるものではなかった。それが、この「30A」で一新され、内容も改良の後が十分に認められる。
 特に独自のSEPP ( Single Ended Push-Pull ) 方式は、通常のプッシュブル方式に比べ、インピーダンスを低く設定できる優れた特長を持つ。すなわち、低アウトプット・インピーダンス化によって、これまでにない低歪化が達成された。さらに、SNも4連ボリュームの使用で格段に向上。ともかく、管球式のコントロールアンプとして、マランツ#7の亜流から脱し、優にそれと肩を並べる、あるいは超えたと言っても決して誉め過ぎではない。
消費電力:35W 外形寸法:W420×H150×D250mm 重量:7.6kg

テクニクス 50A
1969(昭和44年)
Technics 50A 
インテグレーテッドアンプ ¥95,000
テクニクス初のTRプリメインアンプ。新採用のOCL方式は、後に各社TRアンプの主流となった。
 このモデルが登場する2年前、すでにサンスイのTRアンプ「AU-777」がヒットを飛ばし、ラックスの「SQ38F」を除けば、各社のアンプはすべてがTR化されていた。それだけに、満を持しての登場である。
 OCL ( Output Condenser Less ) 方式という言葉もこのアンプによって生まれてた。つまり、出力コンデンサーを使うことは、スピーカーの制動を抑えてしまい、それが石臭い音の一因にもなっていた。テクニクスは、そこに着目して差動入力全段直結OCLアンプの元祖になった。さらに、プリ部では、初めてPNP型のローノイズトランジスターを導入。これも各社アンプの定番となるのである。
 デザインは、アクリルのパネルを通して、文字が光で浮かび上がる手の込んだもの。これが、マッキントッシュそっくりということで、テクニクスは、このデザインを本機のみで打ち止めにしてしまった。
実行出力:30W+30W(8Ω)、20W+20W(16Ω)消費電力:175W 
外形寸法:W420×H147×D325mm 
重量:13.5kg


# / 1954〜1969  #2 / 1971〜1977 * #3 / 1977〜1986 * #3 / 1988〜1992

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INDEX

1881〜1945
立体音の発見と
二つの源流

1946〜1957
日本の戦後復興と
Hi-Fiへの熱き試み

1958〜1965
幕を開けた
ステレオの時代

1966〜1970
開花する日本の
独創技術

1971〜1980
4チャンネル騒動と
成熟の頂きに立った
コンポーネント

1981〜1990
AV時代の到来と
CDの登場

INDEX

*国内ブランド
ACCUPHASE
AUDIO TECHNICACORAL
DENON
DIATONE
EROICA & UESUGI
FOSTEX
GRACE
LIVING AUDIO
Lo-D
LUXONKYO
PIONEER & EXCLUSIVESANSUI
SONYSTAX
TECHNICS
TRIO & KENWOOD
VICTOR (JVC)YAMAHA

アンサンブルステレオと
セパレートステレオ


*海外ブランド 
ALTECAR
GOODMANSJBL
JORDAN WATTSMARANTZ
MclNTOSH
ORTOFON
SMETANNOY






 



















 

 

 
























































































































































































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*国内ブランド|ACCUPHASEAUDIO TECHNICACORALDENON
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LUXONKYOPIONEER & EXCLUSIVESANSUISONYSTAX
TECHNICSTRIO & KENWOODVICTOR (JVC)YAMAHA
 |アンサンブルステレオとセパレートステレオ
*海外ブランド|ALTECARGOODMANSJBLJORDAN WATTSMARANTZMclNTOSH
ORTOFONSMETANNOY



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