ステレオの産業史|テクニクス #3
家電王国の底力が見事に開花
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TECHNICS 松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)
#1 / 1954〜1969 * #2 / 1971〜1977 * #3 / 1977〜1986 * #4 / 1988〜1992


テクニクス SB-10000
1977(昭和52年)
SB-10000 
バスレフ型 3ウェイ 3ユニットスピーカーシステム ¥600,000(1台)
先端技術の結集。リニアフェイズシステム究極のフローアー型。

 前年に登場したJBLの「pro.4343」の価格が739,000円。片や4ウェイ、テクニクスは3ウェイの違いがあるとしても、このシステムのコストパフォーマンスの高さには驚くべきものがある。周知のように、JBLの歴代システムは、一連のホーンとドライバーを基本に、システムとしてアセンブリーされてきた。もちろん、それらのユニットの完成度は極め高いものではある。
 それが、この「SB-1000」では、ユニットを試作するためのコンピュータソフトを新たに開発する、といった途方ないプロセスが採られている。そこには、日本初、世界初といった先端のテクノロジーが並ぶ。その蓄積されたデータは分厚いファイル10冊分以上にもなったというから驚く。この威風堂々たるシステムで得られる再生音は、当然、JBLの「pro.4343」とは趣を異にする。しかし、一聴では即断しかねる凄みのある可能性を秘めていたことは確かであった。
使用ユニット:46cmウーファー、ホーンスコーカー、ホーンツイター
再生周波数帯域:30~22,000Hz クロスオーバー周波数:700Hz、6,500Hz
外形寸法:W1,115×H1,200×D705mm 
重量:140kg

テクニクス SB-E5001979(昭和54年)
SB-E500 

バスレフ型 4ウェイ 4ユニット
スピーカーシステム 
¥350,000(1台)

ミッドバスを加えた
リニアフェイズシステムの
さらなる進化。

 これもコストパフォーマンスが驚くほどに高い。戦略的プライスともいえようか。
上記の「SB-10000」より、一回り以上小さくなり、これならば10畳ほどのスペースで十分に鳴らせる。しかも、比較的至近距離で聴いても音像のまとまりが良く、ホーンの特有の癖が皆無なのは、完璧なデットニング処理と広い開口角を持つホーンの効果ゆえであろう。
 また、当然のことながら、ネットワークとレベルコントラーのつくりにも、細心の配慮がみられた。
使用ユニット:38cmウーファー
 25cmミッドバス
 ホーンスコーカー
 ホーンツイーター

クロスオーバー周波数:
 350Hz、1,500Hz、8,500Hz
外形寸法:
 W720×H1,030×D560mm 

重量:80kg


テクニクス SL-1015
1979(昭和54年)
SL-1015 
クォーツロック・ダイレクトドライブ・プレーヤー ¥220,000(アクリルカバー付き・カートリッジ別売)
市販のDDと、システムトーンアームを、防振ベースに隙なくまとめた高い完成度。
 DDのオリジネーターであるテクニクス一連のプレーヤーは、プレーヤーベースにダイカストを使用し、必要な質量を保持することで、小型化をはかったてきた。そのポリシーからすれば、この「SL-1015」は、別格の存在となる。
 DDについては改めて触れることもないが、精巧なメカニズムをもつシステムトーンアームは注目に値する。そのひとつが軽量アームの弱点ともされる共振を抑える可変式のダイナミックダンピング機構だ。回転ノブの「0」が通常の状態、数値を上げることで制動が働く。さらには、システムトーンアームの名の通り、別売のメインウエイト付きアームユニットによって、市販カートリッジのほぼすべてをカバーできることである。
ターンテーブル(SP-15/¥100,000):ブラシレスDCモーターによるクォーツフェイズロックトコントローラー
 アルミダイカスト製:直径/33.9cm、重量/2.7kg
システムトーンアーム(EPA-500/¥65,000):ハイコンプライアンス・カートリッジに適合、電子式針圧計付属
プレーヤーベース(SHB-15B1/¥55,000):振動減衰率と防振特性に優れた特殊ゴムによる一体成形
外形寸法:W556×H170×D465mm *総重量:23.5kg


テクニクス SU-V101979(昭和54年)
SU-V10
 インテグレーテッドアンプ ¥198,000
ハイパワーを実現させた「new clus A」プリメインアンプの出発点。
回路方式はテクニクス・ポリシーのストレートDC。

 この年は日本ビクターからも「Super A」といったA級に準じるハイパワーのプリメンアンプが登場した。従来、A級動作のアンプは低歪率という点で優れてはいても、出力は犠牲にしなければならない。そのため、出力は、せいぜい30〜50W止まり(ホームユースでは十分なのだが)。テクニクスがこの相反する問題を世界に先駆けて開発したのが「Aプラス」級の動作方式。2年前、超弩級パワーアンプ「SE-A1」(¥1,000,000)としてデビューさせた。
 原理は、電源回路をBクラスアンプで行い、波形伝送増幅をAクラスにするというもの。当然、この「SU-V10」も、この原理を受継ぐ。パワーは120W(8Ω)で、これまでのA級プリメインの常識を優に超えた。コントロール機能はフル装備。搭載のMC用ヘッドアンプも優秀である。
実効出力:4Ω/160×2、8Ω/120×2 消費電力:300W 外形寸法:W471×H172×D420mm 重量:23kig

テクニクス SL-101979(昭和54年)
SL-10
 
ジャケットサイズ・フルオートプレーヤー 
¥100,000

プレーヤーの概念を覆して
ニューヨーク近代美術館に永久収蔵。

 マニア心理として、プレーヤーは大きく重たいのが理想、とする傾向は根強い。ロングアームを有り難がるのもそのためだ。
 ともかく、このプレーヤーの出現には度肝をぬかれた。テクニクスの歴史をさかのぼれば、初のプレーヤーがリニアトラッキングア
ームであった。それから、13年目にして、この究極の姿になったわけである。このメカニズムには一分の隙もない。
 カートリッジの着脱は新規格となり、オーディオテクニカとシュアが賛同して仲間に加わった。もし、3年後のCDの登場がなければプレーヤーの主流になったであろう。
 それが、CDの登場から10年近くにも渡り、後継モデルの生産は続けられ、レコードファンの支持に応えたのである。
■トーンアームとカートリッジ
トーンアーム:ダイナミックバランス型リニアトラッキングアーム(傾斜しても再生可能)
カートリッジ:MC型 *周波数特性:10~60,000Hz 針圧:1.25g 交換針:EPS-310MC(¥18,000)
プレーヤー部
駆動方式:クォーツフェイズロック・ダイレクトドライブ ターンテーブル:アルミダイカスト製直径30cm 
外形寸法:W315×H88×D315mm 重量:6.6kg


テクニクス SB-M2 Monitor 21982(昭和57年)
SB-M2 Monitor 2

バスレフ型 3ウェイ3ユニットスピーカーシステム 
SB-M2-S / ¥
198,000(1台)グレーフィニッシュ
SB-M2-W / ¥220,000(1台)ウォルナットフィニッシュ
CDが登場したこの年を挟んで、
テクニクス、ソニー両社のシステムは
平面ユニット一色に染まった。
 テクニクスは前年、初めて「MONITOR」の名を冠した平面ユニットの4ウェイシステム「SB-M1」を発売。本機は、それに次ぐモデルである。
 これにより、リニアフェイズ方式に終止符がうたれ、ユニット間の位相問題は根本から解決した。
 そこで興味深いのが、リニアフェイズの影響を受けたソニーが、2年ほど早く平面ユニットのトップモデルを登場させたことである。
 そして気付けば、両社のシステムは平面ユニット一色に染まっていた。テクニクスは丸形、ソニーは角形。ユニット構造は、ハニカム状の芯材を振動板でサンドイッチしたもので大差ない。これが、デジタル時代を迎えた、スピーカーシステムの進化の結果なのかは、正直にいって良く分からない。
 そんな疑問を裏付けるように、両社は2年ほどで平面ユニットから一斉に手を退いてしまった。
使用ユニット:38cm平面ウーファー、
 8cm平面スコーカー、2.8cm平面ツイーター
再生周波数帯域:27〜38,000Hz 
クロスオーバー周波数:750Hz、4,000Hz 
外形寸法:W540×H820×D415 *
重量:50kg

テクニクス SB-RX501986(昭和61年)
SB-RX50
 
バスレフ型 コアキシャル 2ウェイスピーカーシステム 
64,800(1台)
最後に登場の平面コアキシャルユニットによる
小型システム。それゆえに完成された音を持つ。
 音の善し悪しは、初めて聴いた時の印象で決まる。いくらオーディオ誌が褒めあげたものでも、最初に聴いた時の印象が良くなければ、自家用とするには値しない(その反対もありえる)。それだけに、一旦、選択を誤まれば悦楽は地獄と化すからである。
 そうした意味で、このシステムには、一聴して好感をもった。しかも、理にかなったつくりが、音に表れている。弱音でも音のディテールが失われず、なによりも音場の広がりが心地よい。
 それが、ほどなくして、カタログから消えてしまったのは残念である。もっと長く現役であり続けることのできた平面ユニット唯一のシステムだと、今でも思うからだ。
使用ユニット:24cmコアキシャル2ウェイユニット
再生周波数帯域:30〜48,000Hz クロスオーバー周波数:2,200Hz
外形寸法:W300×H480×D282 *
重量:5.5kg




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INDEX

1881〜1945
立体音の発見と
二つの源流

1946〜1957
日本の戦後復興と
Hi-Fiへの熱き試み

1958〜1965
幕を開けた
ステレオの時代

1966〜1970
開花する日本の
独創技術

1971〜1980
4チャンネル騒動と
成熟の頂きに立った
コンポーネント

1981〜1990
AV時代の到来と
CDの登場

INDEX

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アンサンブルステレオと
セパレートステレオ


*海外ブランド 
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ORTOFON
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