ステレオの産業史|日本ビクター #3
レコード産業と共に歩んだその源流は、
アメリカビクターとRCA。
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VICTOR (JVC) 日本ビクター株式会社(現・株式会社JVCケンウッド)
#1 / 1954〜1958 * # 2 / 1966〜1970 * #3 / 1970〜1977 * #4 / 1979〜2009



ビクター MCA-V7
1970(昭和45年)サンスイ QS-1
MCA-V7
 4チャンネル・インテグレーテッドアンプ ¥67,800
世界初の4チャンネル・プリメインと銘打って登場。
2チャンネルの擬似的な4チャンネル化にも対応。
 同年5月、サンスイが4chシンセサイザー(QS-1/¥39,900)を発売。これにスピーカーを2台追加すれば、2chを4chで再生できるということで、ブームに火を付けた。
 これを追ってビクターの「MCA-V7」が秋のオーディオ・フェアに合わせて発売され、同時にビクターが本命とする「CD-4」の4chレコードが公開された(発売は翌年)。つまり、世界初と銘打ったビクターの「MCA-V7」は、本命の「CD-4」レコードが発売されるまでのつなぎとして登場したことになる。
実行出力:12.5W✕4(8Ω) 2ch BTL接続;28W✕2(8Ω) 周波数特性;20〜100kHz 
外形寸法;W420✕H138✕D296mm 重量;10kg

ビクター 4MD-1X1971(昭和46年)
4MD-1X
 ディスクリート4チャンネル用IMカートリッジ(シバタ針付)¥12,500
CD-4レコードの初リリースに合わせて発売された専用カートリッジ。
 この年になると、サンスイとビクターに次いでソニーが4ch市場に参入。また、他のメーカーも独自の4ch方式を導入し、乱立・乱戦の状態となった。この異常事態に、業界は規格統一に向けて動き出したが調整に難航。結局、サンスイ、ビクター、ソニーの三方式が併存することになった。
 この状況下でビクターは、自社の「CD-4」(チャンネル独立型)こそが本命と確信していた。シバタ針と一般的楕円針何しろ、開発者の名を冠したシバタ針によって、周波数の上限が60,000Hzという驚くべき数値が実現された。これは、人間の可聴帯域外の超高音に後方チャンネルの情報を収める必要からである。当時としては門外不出のマル秘技術で、公表されたデータを手にした他社のカートリッジ技術者は、思わず溜め息を洩らした、ともいわれている。それほどに凄い特性だった。
*右の写真は、シバタ針と一般的な楕円針との比較。
 ビクターは、この「CD-4」を世界標準にすべく、松下電器(現・パナソニック)とRCAの3社で連合を組織。しかし、従来の2chと比べて4chは、1チャンネル当りのクオリティーが落ちる、という事に、評論家たちが気付き始めたことで、ユーザーの関心は急速に覚め、「CD-4」の狂騒は2年ほどで幕を引いた。
 それでも、「CD-4」の開発で得た高度な技術は、後々のカートリッジの諸特性とレコード周辺技術の水準を飛躍的に引き上げることに繋げた。なお、サンスイの「QS」方式は、翌年の1972年(昭和47)に日本電子工業会が正式の規格として認定し、その翌年には、アメリカレコード協会(RIAA)も正式に認定した。
周波数特性:10〜60,000Hz クロストーク:1,000Hz / 30dB、30,000Hz / 20dB 針圧:1.5〜2g 

 
ビクター SX-3
1972(昭和47年)
SX-3 
密閉型 2ウェイ 2ユニットスピーカーシステム ¥27,900(1台)
ビクター久々の会心作。予想を超えたヒットモデルに。
 当時のビクターは、4チャンネルへの全力投球に傾きすぎてか、単品のシステムに、これといった注目作がなかった。そこに、異色ともいえる斬新なデザインで登場したのが「SX-3」である。
 試作の過程で、ドームツイーターの音の伝播が、フェイズモアレ伝送パターンというコンピュータ画像で解析されたのは、このモデルが最初。また、ダグラスファー(米松の一種)によるバッフル振動モードもコンピュータ画像で解析され、その都度、試聴が繰り返されて量産モデルになった。
 それだけに、評論家の高い評価が追い風になり、月産500台ほどの当初の目標が、数ヶ月で一気に5,000台という大台に乗り、品薄状態になるほどの人気を博したのである。ただ、ユニット配置が左右対象でないのが問題で、2台並べた時のアンバランス感はなんともしがたい。これはビクターに限ったことではなく、国内のメーカー各社がこのことに気付き、左右対称に作るようになったのは、かなり経ってからのことであった。
使用ユニット;25cmウーファー、5cmソフトドームツイーター 再生周波数帯域:35~20,000Hz 
クロスオーバー周波数:2,000Hz 外形寸法:W315×H520×D290 重量:13.3kg


ビクター SX-7
1973(昭和48年)
SX-7
 密閉型 3ウェイ 3ユニットスピーカーシステム ¥79,000(1台)
上記「SX-3」を3ウェイ化した高級バージョン。
 「SX-3」と同系のスコーカーとツイーターを配し、30cmウーファーのコーン紙は、分割振動を抑えるコニカルドームによって強化された。これは、RCAが古くから用いてきた方式で、ビクターもこれに習った大型システムをモノラル時代から手掛けきた。
 エンクロージャーの前後バッフルと側板に取付けられた響棒には、ダグラスファー(米松の一種)を使用。 音の響きを大切にしたつくりは「SX-3」同様である。 特にソフトドームスコーカーの受持ち帯域が十分に広く、音のつながりがごく自然で、ライバルであるダイヤトーンのシステムに共通して感じられる中高域の張りすぎる性格とは対照的に、クラシック音楽を落ち着いて楽しめる数少ないシステムであった。それゆえに、多くの後継モデルが生まれた。
使用ユニット;30cmウーファー、7.5cmソフトドームスコーカー、3cmソフトドームツイーター
再生周波数帯域:25~20,000Hz クロスオーバー周波数:500Hz、5,000Hz 
外形寸法:W355×H635×D322mm 重量:25kg


ビクター JA-S20
1975(昭和50年)
JA-S20
 インテグレーテッドアンプ ¥250,000
SEA内蔵プリメインのトップモデル。特にパワー部のクオリティーは、ゆとりがあって上質。
 前年、ソニーが本邦初の「V-FET」アンプをシリーズで発売。そのトップモデルである「TA-8650」(¥295,000)に次ぐ高級機として登場したのがビクターの「JA-S20」である。とにかく、贅を尽くしたコンストラクションで、当時の国産プリメインとしては唯一、120W✕2(20〜20kHz両ch動作/8Ω)のハイパワーを誇り、そのクォリティーは上質であった。但し、難を言えばデザインが野暮なことと、SEAのつまみが密集しすぎて操作性に欠けることである。
実行出力:140W×2(20〜20kHz両ch動作/8Ω) 消費電力:330W 外形寸法:W480×H168×D430mm 重力:23kg


ビクター FB-7
1976(昭和51年)
FB-7  
バックロードホーン型 2ウェイ 2ユニットスピーカーシステム ¥179,000(1台)左右対称型
バックロードホーンの弱点を工作精度の高さで解決。しかし・・・。
 わが国のバックロードーホーンシステムといえば、人気を先導したコーラルと、 JBLのユニットを使って国産化したサンスイぐらいのもので、この生産効率の悪いシステムに手を出す国内メーカーは長らく登場しなかった。
 バックロードホーンの音を一度でも耳にすればそのダイナミックな爽快感に圧倒される。しかしながらホーンの放射特性による音の乱れと癖は、避けられない弱点でもあった。それをビクターは、微妙で複雑なカーブも高い精度で加工できるコンピュータ制御のNCルーターを導入して解決したのである。ご覧のとおり、ホーンが美しいカーブを描く。
 30センチウーファーは、このシステム用に開発されたアルニコマグネットの強力型。また、ホーンツイーターの開口部に設けられたドリップ型のイコライザーは、ホーン奥の音源をホーン前面に浮かび立たす効果を持つ。
 只、問題は全体の意匠である。ウーファーの取り付け金具はJBLの丸写し。また、外装のホワイトグレーのフィニッシュも、JBLのモニターシステムにそっくり、という訳で、余りにも安直にすぎた。
使用ユニット;30cmウーファー、ホーンツイーター 再生周波数帯域:30~20,000Hz クロスオーバー周波数:2,000Hz 
外形寸法:W535×H975×D560mm 重量:56kg


ビクター S-3000
1977(昭和52年)
S-3000 
バスレフ型 30cmコアキシャル 2ウェイ スピーカーシステム ¥138,000(1台)
レコード制作現場の要求で生まれたモニターシステムといわれたが・・・。
 同一ユニットを異なる箱に納め、価格ランク別のシステムとする方法は、ALTEC、JBL、TANNOYなどが古くから行ってきた。同様に、この「フェイズ・リング・コアキシャル」と名付けられたユニットを納めたシステムには、フS-3000のユニットロアー型のバスレフ型「S-777」(¥119,000)と、レコード制作現場の要望で生まれた、という本気のシステムがあった。
 ’70年代の中頃から、モニターとして積極的に使われ始めたJBLのシステムが、2ウェイから3ウェイへと、中域の密度を高めた上で、レンジの拡大をはかってきたことを考えると、この「S-3000」は、時代に逆行している印象がなくもない。ユニットも、同軸コアキシャルという古くからある構造を最新の技術でリファインしたものと思うが、モニターとして至近距離で聴くには、かなりハードな音で聴き疲れする。音楽鑑賞用としては、フロアー型の「S-777」の方がいい。
 先にも触れたが、ユニットの取り付け金具はJBLの丸写し。おまけに、バッフル前面に設けられたアッテネーター付きの入力端子も、JBLをイメージさせる。
使用ユニット:30cmコアキシャル2ウェイユニット 再生周波数帯域:30〜20,000Hz 
クロスオーバー周波数:2,000Hz 外形寸法:W440×H71×D41.2mm 
重量:30.5kg


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立体音の発見と
二つの源流

1946〜1957
日本の戦後復興と
Hi-Fiへの熱き試み

1958〜1965
幕を開けた
ステレオの時代

1966〜1970
開花する日本の
独創技術

1971〜1980
4チャンネル騒動と
成熟の頂きに立った
コンポーネント

1981〜1990
AV時代の到来と
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