アンサンブルステレオ &
セパレートステレオ #1

1959〜1964 もはや戦後ではない、から
大量生産・大量消費の時代へ・・・
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#1 / 1959〜1964 * #2 / 1965〜1975 



ビクター・アンサンブルステレオSTL-3
1959(昭和34年) 日本ビクター (JVC) STL-3 ¥47,800
皇太子(今上天皇)と美智子妃のご成婚記念モデルと銘打って発売した業界初のヒットモデル。

 前年に我が国初のステレオを発売したビクター。その贅沢品(大卒初任給12,700円)といわれたステレオを一気に身近にしたモデルがこれ。ステレオ放送が聴けるAM2バンドの管球アンプの出力は3.5W×2、スピーカーは16cmと12cmのフルレンジタイプで、 12cmのユニットはキャビネットの両サイド取り付けられ、角度可変のパネルに音を反射させて、モノラルでもステレオっぽい効果を得ていた。これは、後のモデルに引き継がれている。

■4月/皇太子(今上天皇)ご成婚。これを機にテレビの受信契約数が一気に500万台を突破。■7月/ミスユニバースで日本人初の栄冠。優勝したのは東京出身のモデル児島明子(22)。身長168、バスト93、ウェスト58、ヒップ97、と抜群のプロポーション。■9月/伊勢湾台風、愛知県と三重県一体に甚大な被害。死者行方不明者5,000人超。■第1回レコード大賞、水原弘の「黒い花びら」作詞/永六輔、作曲/中村八大。
日本でも人気上昇のコニー・フランシス、「フーズ・ソリー・ナウ」に続いて、「カラーに口紅」がスマッシュヒット。その後もヒットを連打。



パイオニア・セパレートステレオPSC-1
1960(昭和35年) パイオニア PSC-1(価格不明)
本邦初の3点式セパレートステレオ。並みいる技術によってつくられた本格派。
 ステレオ放送が聴けるAM2バンドの管球OTLレシーバー。スピーカーは20cmウーファー、12cmスコーカー、ダイキャスト製ホーンツイーターによる3ウェイバスレフ型。プレーヤー部はリムドライブの30cmターンテーブルにMMカートリッジ装備のトーンアームといった具合。こうして並べてみるだけでも、内容の濃さがわかる本格派であっ
た。但し、それなりに高価であったためか、あまり売れなかったという。
■4月/皇室史上初の天覧映画「ベン・ハー」公開。天皇と皇族方の特別試写は3月30日。主演のチャールトン・ヘストンがレッドカーペットで出迎えた。■6月/国会突入の反安保闘争で東大生の樺美智子(22)さんが死亡。首相の岸信介は、デモ隊の排除に自衛隊の治安出動を示唆。■この年の全国映画館数7,457館で史上最多。
人気テレビドラマは、アメリカのテレビ映画が主流。淀川長治解説の「ララミー牧場」を始め、スティーブ・マックイーンの「拳銃無宿」、クリント・イーストウッドの「ローハイド」、洗練された探偵もの「サンセット77」等々と目白押し。


パイオニア・セパレートステレオPSC-5A
1961(昭和36年) パイオニア PSC-5A ¥83,000
セパレートステレオの商号で発売した第一号モデル。
 アンサンブル型が鏡面仕上げのきらびやかで豪華な外観を競っていたのに対し、パイオニアは天然チークのオイル仕上げという、落ち着いた装いで登場させた。管球アンプは中波2局のステレオ放送が聴けるレシーバーで、パネルレイアウトには完成度の高さが見られる。スピーカーは16cmウーファーとホーンツイーターの2ウェイバスレフ型という定番の構成。やがて、名実ともにセパレートステレオのパイオニアとなるのである。


ビクター・アンサンブルステレオSTL-13
1961(昭和36年) 日本ビクター (JVC) STL-13 ¥95,000
30cm大型ウーファー使用の3Dステレオで、ビクターご自慢のエコー装置付き。
 低音に指向性がないことを利用した3D方式。30cm口径のセンター・ウーファー1本を前面に配し、中高音ユニット(18×13cmの楕円スコーカーと5cmコーンツイーター)を両サイドに取り付けて、角度可変のパネルに反射させている。管球アンプの出力は6W×2。エコー装置で最大2.5秒の長さで残響をかけることができた。
 但し、現代のスーパーウーファーとは仕様が全く異なるため、音が中央に固まって、十分なステレオ感は得られなかった筈である。こんなことが許されたのも、まだモノラルが主流の時代であったからであろう。
■1月/ジョン・F・ケネディ、史上最年少の43歳で大統領に就任。就任演説では「国のために自分が何をできるのかを考えほしい」と国民呼びかけた。■4月/「地球は青かった」と、ソ連のユーリ・ガガーリン少佐(27)が人類史上初の宇宙飛行。■10月/ソ連が史上最大の水爆実験(広島型原爆の3,300倍)。首相の池田勇人は、フルシチョフに抗議の電報。
12月/アメリカ映画「ウェストサイド物語」丸の内ピカデリーで公開。 2年後の5月17日までの超ロングラン記録を樹立。レナード・バースタイン作曲の楽曲は、後にオーケストラ用の組曲に編曲され、コンサート・プログラムにしばしば取り上げられている。

パイオニア・アンサンブルステレオS-311962(昭和37年) パイオニア S-31 ¥64,000
アンサンブルステレオ全盛の時代に、パイオニアが唯一発売した稀少モデル。
 ユニット構成は16cmウーファーとホーンツイターによる2ウエイ。それだけに、上記のビクターの音づくりとは違う明快で率直な音を聴かせた。それでもパイオニアは、この1台をもってアンサンブル型を見限ってしまった。

■5月/国鉄三河島事故。脱線した電車から降りて線路を歩く乗客を対向電車がなぎ倒し死者160人、重軽傷者325人の大惨事。■8月/マリリン・モンロー(36)全裸の不審死。ケネディ大統領と実弟の司法長官ロバート・ケネディーとの三角関係が取り沙汰された。■8月/「太平洋ひとりぼっち」、堀江謙一(23)が小型ヨットで太平洋横断の快挙。
イタリアの映画監督ヤコぺッティが世界の奇習を撮りまくった「世界残酷物語」が空前のヒット。その内容とは裏腹の美しいテーマ曲「モア」は、米アカデミー賞にノミネート(作曲/リズ・オルトラーニ)。 後に歌詞が付けられて世界のスター歌手がこぞってカバー。


ビクター・アンサンブルステレオSTL-661
1963(昭和38年) 日本ビクター (JVC) STL-661 ¥69,500
モデルチェンジの激しかった家電業界のアンサンブルステレオ。
これに対抗し、老舗、日本ビクターは「モデルチェンジをしない永遠のステレオ」を宣言して発売。

 パーフェクト・ピックアップをはじめ、日本ビクターが誇る数々の技術を美しいキャビネットにコンソールしたベストセラー・モデル。生産台数が発売から3年で30万台を突破した。しかし「モデルチェンジをしない・・・」のキャッチフレーズとは裏腹に、幾度となくマイナーチェンジを繰り返し、結局は時代の進化に取り残されて姿を消した。


コロムビア・セミセパレートステレオDSC682
1963(昭和38年) 日本コロムビア DSC682(価格不明) 
セパレート型は製造コストが高くついて売りにくい。そこで生まれたセミセパレート。

 左右の箱の容積が異なるので、厳密には、音の鳴り方もステレオバランスもおかしなはず。それでも、セパレートステレオには手が届かない、というユーザーを捉えて、メーカーの思惑通りに結構受けたようだ。2年前に日本ビクターが同様のものを出していた。
■11月/またも起きた国鉄の大惨事。鶴見駅付近で横須賀線と貨物列車の複合脱線で死者161人、重軽傷者120人。一方、福岡県の三池炭鉱では、坑内の炭じんが大爆発。死者458人、重軽傷者839人と史上最悪の惨事が重なり、「血で塗られた魔の土曜日」となった。■11月/「ケネディ大統領撃たれる」の緊迫したアナウンス映像が、初の日米間通信衛星で地球の裏側の日本に届く。■12月/NHK、FMのステレオ放送開始。
リバイバルヒットの「マリア・エレーナ」。原曲は1932年に発表されたメキシコの愛の歌。ロス・インディオス・タバハラスのギター演奏で蘇る。


東芝・アンサンブルステレオNO20
1964(昭和39年) 東芝 マイスタージンガーNO20(価格不明)
2チャンネルのステレオを擬似的に4チャンネル化。

 目新しい技術的アイデアを付け加えては、めまぐるしく新製品が入れ替わる・・・。これはアンサンブルステレオがもて囃されていた時代の特徴であり弱点。それでも、位相の操作で4チャンネルのイメージを創り出す発想は、後の4チャンネルブームの先駆もといえた。名称は「ダイナミック4チャンネル方式」。なお、この年、東芝はビートルズのシングルを初リリースしている。


コロムビア・アンサンブルステレオDSC835
1964(昭和39年) 日本コロムビア DSC835 ¥350,000(テープデッキ別売)
まさに豪華調度品としてのアンサンブル型。洋酒がステータスであった時代を偲ばせる。
 日本コロムビアといえば、日本で最も歴史あるレコード会社で、かつては日本ビクターや東芝と同様に音楽の制作部門と、音響部門を持つ音の総合メーカーであった。
 日本コロムビア黄金期のレコード部門では、アメリカ最大のCBSレーベル (後にソニーが買収) を擁し、歌謡界では美空ひばりを筆頭に、錚々たるスター歌手が在籍していたことで知られる。その日本コロムビアが時代の余勢をかって発売したのがこの豪華アンサンブル型。左上がオートチェンジャーのレコードプレーヤー、右上がテープデッキの収納スペースになっている。


松下電器・アンサンブルステレオ飛鳥
1964(昭和39年) 松下電器(PANASONIC) 飛鳥 ¥125,000
カタカナが主流のステレオ商品に「和」のネーミングでヒットを飛ばした「飛鳥」。
 すでに家電王国の地歩を築いていた松下電器が満を持して発売したアンサンブルステレオの代表モデル。スピーカーのピストン・モーションをアンプにフィードバックさせるMFB方式 (低域のレンジが伸びる) の採用、オートチェンジ
ャーのプレーヤー、FMステレオが聴けるオールトランジスタのレシーバー等、当時の先端技術を投入して成功した。とりわけ、正倉院を模したといわれる簡潔で斬新なデザインが美しい。

■4月/
「ミロのビーナス」国立西洋美術館で一般公開。フランス政府が、この年開催の東京オリンピックを祝して特別に貸し出したもの。開場を待つ長蛇の列は1千人。■4月/週刊「平凡パンチ」創刊。若者文化をリードしたその中味は、ファッション・クルマ・セックス・エトセトラ・・・。■10月/実存主義の旗手サルトル、ノーベル文学賞辞退。
ブラジルのサンバから生まれたボサノバ。そのブームを決定づけた「イパネマの娘」。アストラッド・ジルベルトが歌って世界を魅了。



#1 / 1959〜1964 * #2 / 1965〜1975 
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INDEX

1881〜1945
立体音の発見と
二つの源流

1946〜1957
日本の戦後復興と
Hi-Fiへの熱き試み

1958〜1965
幕を開けた
ステレオの時代

1966〜1970
開花する日本の
独創技術

1971〜1980
4チャンネル騒動と
成熟の頂きに立った
コンポーネント

1981〜1990
AV時代の到来と
CDの登場

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