ステレオの産業史|ALTEC #1
プロフェッショナル・ユースの分野で
揺るぎないポジションを築いたアルテック。
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ALTEC Altec Lansing Technologies, Inc
#1 / 1946〜1970 * #2 / 1975〜1980 


アルテック ボイス・オブ・ザ・シアター A2
1946年(昭和21年) 
ボイス・オブ・ザ・シアター A2 シアター用スピーカーシステム
アメリカ文化の筆頭であり続ける映画。
かつて、そのスクリーンの裏で君臨したビックシステム。(写真の人物は合成)

 映画史に残る最もアメリカらしい作品は、第二次大戦の前と戦時下に於いてつくられた。年代順にざっとタイトルを挙げれば、「コンチネンタル」、「艦隊を追って」、
「駅馬車」、「嵐が丘」、「レベッカ」、「怒りの葡萄」、「風と共に去りぬ」、「市民ケーン」、「カサブランカ」、等々の名作が並ぶ。戦時下に関わらずアメリカでは、全人口の65%が、週に一度は映画館に足を運んだという。その背景には、映画を軍需と同格の産業として優遇されたことが大きい。その関連でシアターシステムも、いわば金に糸目をつけぬ恰好で改良と開発が進められたのである。
 そして、戦後に開発されたのが「ボイス・オブ・ザ・シアター」と名付けられた「A1〜A6」までのシリーズモデルで、1953年の第26回アカデミー賞では、この一連のシ
ステムに、映画技術アカデミーから「ワールド・スタンダード」の承認が与えられた。

A2の使用ユニット 288/1005BA2の使用ユニットA2に使われたユニットについて。
■ドライバーは、シアター用またはPA用として、世界標準になった最強ドライバー。幾つかのバージョンがあり、後の「288-16B」に相当する。
■ホーンは、10分割のマルチセクトラルホーン。使用する環境によっては、より大型で15分割の「1505B」、さらに18分割の「1804B」があった。
ホーンの厚さは、一見ブリキを思わせる薄いものであるが、十分なデッドニング処理によって、ホーンの共振を抑えていた。
ラベルには、それを物語るように、ラシングのロゴが印刷されている。


ボイス・オブ・ザ・シアター A5X/A7-500/A7-8
1953年(昭和28年) 
ボイス・オブ・ザ・シアター A5X/A7-500/A7-8 
シアター用スピーカーシステム

映画のワイド化と音声の多チャンネル化という新時代を迎えて
主流になった「A5」と「A7」。

 この時期、TV先進国のアメリカでは、早くも映画人口の減少が深刻化していた。そこで、ハリウッドの首脳陣が考えだしたのが、映画のワイド化と音声の多チャンネル化である。そのためには、1台当りのコストを下げる必要があった。
 アルテックでは、世界初のシネマスコープ作品「聖衣」(’53)の公開に合わせて、これまでの「A5」から、コストを下げた「A7」による6トラックの再生システムを開発すると、シアターサウンドの主流としていった。
 その「A7」が日本でも、市販されるようになったのは、輸入元の日本エレクトリが創業した1964年以降の頃と思われる。この「A7」を自家用として真っ先に購入し、その名を広め、マニアの憧れとしたのは、オーディオ評論家の山中敬三(故人)氏であろう。また、この当時、都内で70mm上映のできるロードショー館(テアトル東京、有楽座、丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー等)で使われていた「A7」は、まさに、ボイス・オブ・シアターの名に相応しく、現代のシネコンでは、決して体感できない極上のサウンドを聴かせた。
■A5X 
使用ユニット;38cmウーファー515B、
 ホーン1005B、ドライバー288-16B
クロスオオーバー周波数;500Hz
外形寸法:W762×H1,500×690mm
■A7-500 
使用ユニット;38cmウーファー416-8B、
 ホーン511B、ドライバー802-8D
クロスオオーバー周波数;500Hz
外形寸法:W762×H1,067×610mm
■A7-8 
使用ユニット;38cmウーファー416-8B、
 ホーン811B、ドライバー806-8A
クロスオオーバー周波数;800Hz
外形寸法:W762×H1,327×610mm


アルテック ヴァレンシア1965年(昭和40年) 
ヴァレンシア 
バスレフ型
2ウェイ3ユニットスピーカーシステム 
¥248,000(1台)

アルテックのコンシューマー
システムの中でも、ベストバイの
エクセレント・モデル。

 上記「A7-8」のユニットをファニチャ
ー感覚の箱にアセンブリーしたモデルで、アールの付いた組格子のグリルが全体の意匠と調和して美しい。
 音のクオリティは、2ウェイとして伝統に裏付けられたものだけに、どのようなソースを鳴らしても、満足度の高いしかっりした音が得られる。そのためにも、球のアンプでドラブするのがベストであったようだ。
 なお、クレージー・キャッツのハナ肇氏(故人)は、かなりのオーディオ通で、このヴァレンシアをマッキントッシュのC-22とMC275の組み合わせで鳴らしていた。
ヴァレンシアの使用ユニット使用ユニット
 38cmウーファー416-8A
 ホーン811B
  ドライバー806-8A
クロスオーバー周波数
 800Hz
外形寸法
 W698×H754×D483mm






1967(昭和42年) アルテック 3000H
3000H
マルチセルラホーンツイター ¥23,500
アルテック唯一のホーンツイーター。
音に浸透力があって、かつ穏やか。

 オーディオ評論家の瀬川冬樹氏(故人)が、このツイーターを高く評価していたことに好感をもち、ダイヤトーンP610
の高域補正(クロスオーバー5,000Hz、12dB/oct)に使い、その良さに納得した。本来なら、バッフルに取り付けるべきだが、それができないのが欠点。
 元々は、「デュプレックス601-C」(30cm 2ウェイ・コアキシ
ャル)にアセンブリーされていたユニットを単売したもので、その歴史は、1953年(昭和28)に遡る。
再生周波数:3,000〜20,000Hz、
クロスオーバー周波数:3,000Hz以上
重量:36g アルテック バルセロナ
1970年(昭和45年)
バルセロナ 873A  密閉型 2ウェイ・3ユニット・スピーカーシステム ¥426,000(1台)
アルテックが始めて採用したアコースティック・サスペンション(完全密閉型)システム。
そのために開発された低foウーファー。

 ウーファーはこのモデルのために開発された低foの低能率仕様。ドライバーのエッジも、これまでの軽合金アルミ一体成型のタンジェンシャル・エッジから、エッジ部分がシンビオテック(宇宙開発で生まれた素材)という耐熱性に優れたプラスチックに変わった。これによって耐入力と周波周特性が向上した。これを大型ホーンの511Bに組み合わせて、ゆとりの500Hzでクロスさせている。
 箱の内部は、ホーン収容部とウーファー部が仕切られているために、38cmウーファーの容積としてはかなり小さい。例えば、低foのウーファーをパイプダクトで適切にチューニングしたJBLのシステムとくらべると、やはり音離れが悪く、アルテックとしては異色のシステムであったと思う。
使用ユニット:38cmウーファー411-8A、ホーン511B、ドライバー808-8A クロスオーバー周波数:500Hz
再生周波数帯域:20〜20,000Hz、外形寸法:W980×H760×610mm 重量:67.6kg


アルテック 755E パンケーキアルテック メディナ1970年(昭和45年)
755E パンケーキ 
20cmフルレンジスピーカーユニット ¥21,000
元々、映写室のモニター用に使われていただけに、
音声帯域の明瞭度に優れる。

 この薄い形状から、パンケーキの愛称で長く親しまれた、といっても、ついぞこれを使ったマニアには、お目にかかったことがない。「755E」の前身である「755A」の歴史は古く、1949年
に登場している。
 元々は映写室のモニター用に使われていたユニットで、物理特性に古さはあっても、音声帯域の明瞭度には捨てがたい良さがあり、オーディオ道楽に飽きた玄人向きの音と言える。
 右の写真は、「755E」を45リッターほどの箱に収めた「メディナ」(¥36,000)で、 1970年に輸入元のエレクトリが発売した。但し「744E」の特長を生かすには容積不足で、本来ならば80リッター以上の箱に入れるべきである。
■755E パンケーキ
再生周波数帯域:40〜15,000Hz 出力音圧レベル:94dB 
インピーダンス:8Ω *重量:1.9kg
■メディナ
再生周波数帯域:40〜13,000Hz 
インピーダンス:8Ω
外形寸法:W358×H596×D280mm 重量:14kg



#1 / 1946〜1970 
 #2 / 1975〜1980
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INDEX

1881〜1945
立体音の発見と
二つの源流

1946〜1957
日本の戦後復興と
Hi-Fiへの熱き試み

1958〜1965
幕を開けた
ステレオの時代

1966〜1970
開花する日本の
独創技術

1971〜1980
4チャンネル騒動と
成熟の頂きに立った
コンポーネント

981〜1990
AV時代の到来と
CDの登場
INDEX

*国内ブランド
ACCUPHASE
AUDIO TECHNICACORAL
DENON
DIATONE
EROICA & UESUGI
FOSTEX
GRACE
LIVING AUDIO
Lo-D
LUXONKYO
PIONEER & EXCLUSIVESANSUI
SONYSTAXTECHNICS
TRIO & KENWOOD
VICTOR (JVC)YAMAHA

アンサンブルステレオと
セパレートステレオ


*海外ブランド 
ALTECAR
GOODMANSJBL
JORDAN WATTSMARANTZ
MclNTOSH
ORTOFON
SMETANNOY







 









































 

 

 













































































































































































































































































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