ステレオの産業史|AR
低音革命でスピーカーの常識を塗り替えたAR、
アコースティック・リサーチ。
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AR Acoustic Research Inc.


AR-3a
1966年(昭和41年)
 
AR-3a アコースティック・サスペンション方式 3ウェイ 3ユニットスピーカーシステム ¥169,000(1台)
常道を破った設計理論で、スピーカーの主流の座を征した「AR-3」の改良バージョン。
 アメリカのモノラルHiFi時代のスピーカーの主流といえば、コーナー型かフロアー型のシステムが中心であった。それでも、HiFiの普及が進むと、小型化への要望は強く、ALTECやJBLでも、既存のユニットを使った小型システムを販売していた。しかし所詮、それは妥協の産物。大型並みの低音など望むべきもない。そこに着目し考案されたのが、アコースティック・サスペンション方式と名付けられた、まったく新しい設計理論による小型システムであった。
 この革新的なモデルが初めて披露されたのは、ステレオレコードが登場する以前の1954年。アメリカのオーディオショーが最初である。箱は完全な密閉構造で、ユニットは気密性を守るために外付け。内部を吸音材で満たし、空気の弾性をサスペンションとして、大型並みの低音を実現したのである。
 唯、能率が低く、ハイパワーのアンプが必要であった。それでも、ステレオレコードが普及しだすと、小型ゆえの省スペース性が、俄然注目を浴び、システムの主流を座を征した。しかも、このモデルために開発されたドーム型の中高音ユニットの優れた指向特性は、ステレオ再生に打って付けだったのである。
 なお、写真の「AR-3a」は、「AR-3」のスコーカーを改良したモデルで、中・低域のクロスオオーバーが、1000Hzから575Hzに下げられたことで、ローレベルのリニアリティーが一段と向上した。
使用ユニット:30cmウーファー、3.5cmドームスコーカー、2cmドームツイーター
再生周波数帯域:30〜20,000Hz クロスオーバー周波数:575Hz、5,000Hz
外形寸法:W635×H355×292mm 重量:26.5kg

 
AR インテグレーテッドアンプ1967年(昭和42年) 
AR 
インテグレーテッドアンプ ¥155,000

アコースティックタイプのシステムをドライブしたときの相性の良さは格別。
 50W×50Wの出力は、後の馬鹿げたハイパワーアンプと比べれば、ごく控えめな数値であるし、自社のシステムを巧く鳴らすのは当たり前としても、この相性のよさは格別といえた。デザインは、最小限の機能に絞った極めてシンプルなもので、写真で見るよりも実物の方が、その良さを実感できた。
 唯、国産の良く出来た当時のアンプ、例えばラックスの「SQ-505」あたりと比べても、価格が3倍というのは、為替レート(1ドル=360円)の関係もあり、致し方ないことではあった。
実効出力:50W+50W(8Ω) 消費電力:125〜500W 外形寸法:W385×H11.5×255mm

AR-LST
1974年(昭和49年) 
AR-LST(Laboratory Standard Transducer) 
アコースティック・サスペンション方式 3ウェイ 9ユニットスピーカーシステム  ¥320,000(1台)

広いリビングで朗々と鳴らすことを好むアメリカの生活スタイルから生まれた。
9ユニット使用の拡散システム。

 一時期、日本の各メーカーは、PX(在米軍基地のショップ)やアメリカの輸出向けに、ユニットを多用したシステムを数多く製造していて、中には、バッフル面がユニットで埋め尽くされているようなものまであった。日本人の感覚からすれば、異様であったが、アメリカのごく一般的な広いリビングに、さりげなく置かれて、朗々と鳴らされると、それなりに、様になったのであろう。
 このことからも、この「AR-LST」は、アメリカの生活スタイルを背景に生まれたもので、わが国の一般的な住環境で鳴らすには、不向きなシステムと言えなくもない。それだけに、ホテルのカウンターバーなど、ほど良い広さのライブな空間で鳴らせば、その本領を遺憾なく発揮したはずである。
使用ユニット:30cmウーファー、3.5cmドームスコーカー×4、2cmドームツイーター×4 
再生周波数帯域:30〜20,000Hz クロスオーバー周波数:575Hz、5,000Hz 
外形寸法:W689×H508×D248mm 重量:40.5kg



AR雑感

 「AR-3」の出現は、世界のスピーカー事情を一変させた。勿論、日本のシステムで、この影響を受けなかったモデルはゼロに等しい。そして、かのヘルべルト・フォン・カラヤンは、「AR-3a」をプレイバックモニターとして常用していたほどである。
 これほどに世界を席巻した「AR」が、徐々にわが国の技術力に追いつかれ、片を並べたその頃に、輸入代理店がフォスター電機からアンプメーカーのローテルに変わった。失礼ながらこの両社、広告宣伝もパブリシティ対策も上手くない事には定評がある。AR社は、上記の「AR-LST」以降、より積極的に低価格モデルから高級モデルと、幅広いラインナップで日本市場への投入をはかった。
 しかし、その優位な技術コンセプトと音の良さを、さらには、「AR」のブランド価値を、日本では浸透させることが出来なかった。それでも、本国アメリカでは長いことトップシェアを維持していた。それも時代の流れには逆らえず、今では、iPhoneのミュージックライブラリーが楽しめるミニコンポや、PC用のスピーカーをつくっているということだ。


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