ステレオの産業史|JBL #1
時代を超越したクラフトマンシップと、見事な音の造形で
多くのオーディオ・パーソンを魅了したJBLサウンド。
< 欲しいが見つかる !! ポイント貯まる !! >


JBL James B.Lancing Sound Inc.

#1 / Speaker System  #2 / Speaker System * #3 / Speaker Unit * #4 / Amplifier


JBL ハーツフィールドJBL ハーツフィールド
1953(昭和28年)ハーツフィールドの使用ユニット
フロンロードホーン型 2ウェイ 3ユニットスピーカーシステム
Contemporary $855.00   Premium $885.00 
邦価¥801,000(1台/1965年当時)

アメリカの豊かさの伝統の中でしか生まれ得ない
モノラル全盛期のモニュメントたる名作。

 大戦後、世界に溢れたアメリカ文化。そして、映画のサウンドシステムの進化と共に、アメリカのオーディオは、世界の先端にあった。ただ、金持ちの文化というだけなら顰蹙を買うだけである。ところが、アメリカの豊かさの源には、伝統的に培ってきたものがある。困難を克服して手にする「アメリカン・ドリーム」だ。(21世紀のアメリカは変容したが)
 ともかく、この「ハーツフィールド」、そしてステレオLPの誕生と同時に登場した「パラゴン」。 いずれも、アメリカの伝統の中でしか、生まれ得なかったものであろう。
 エンクロージャーの独特のさまは、ホーンの構造にある。38cmウーファーの「150-4C」は、ホーンのドライバーとして、小容積のキャビティーに納められ、ホーンのスロート部からロードを一周して向きを変え、左右のホーン開口部に導かれる。タンノイのオートグラフのように、ユニット背面の音は使われていない。
 500Hzから上は、強力ドライバー「375」が受け持ち、そのエネルギーを波形のスラントプレートが拡散する。このコンビネーションから得られる夢のアメリカン・サウンドを、理想的な広さの強固なコーナーにセットして、我がものにすることのできた幸せ者は、果たして日本に何人いたのであろうか。なお、わが国には1953年、河村電機によって初めて輸入され、同年の第2回日本オーディオフェアで披露されている。
クロスオーバー周波数:500Hz *外形寸法:W1148×H1130×D603mm

1957(昭和32年)
レンジャー・パラゴン 
フロントロードホーン型 3ウェイ 3ユニット ステレオシステム
Contemporary $1830.00  Premium $1884.00 邦価¥1,680,000(1968年当時)
虚像の音が、眼前にせり出して並び立つ。そのステレオマジックは圧巻
 ステレオLPの登場とほぼ同時に発売されたパラゴン。その理にかなった考えを、これほどの美しい造形にまとめたことが、何しろ凄い。神の啓示を受け、そのひらめきから生まれた、と思いたくもなる。手掛けたのは、プロダクツ・プロデューサーのリチャード・H・レンジャーとエンジニアで意匠デザイナーのアーノルド・ウォルフ。登場から半世紀以上経た今も、ステレオスピーカーシステムの最高傑作として、その魅力に陰りはない。
JBL パラゴン
パラゴンの構造図クロスオーバー周波数:500Hz、7000Hz 
外形寸法:W2630×H900×D740mm
 後に、パラゴンやその他のシステムに搭載できる石のパワーアンプがエナジャイザーという名称で登場した。
JBL エナジャイザー






JBL ハークネス
1957(昭和32年)ハークネス用ユニット
ハークネス C40
バックロードホーン型 エンクロージャー(左右対称型) 
Contemporary $151.00  Premium $156.00

このエンクロージャーから、6つの
カスタムメードのシステムが選択できた。
 JBLは、モノラルの時代から、タイプ別のエンクロージャーをラインナップし、予算、目的、好みでユニットを選べば、「カスタムメイドのシステムができますよ」という販促法をとっていた。もちろんネットワークも用意してである
 そのエンクロージャーのなかで、プロポーションが美しく、注目されたのが、バックロードホーン型の「ハークネスC40」であった。ちなみに「ステレオサウンド」誌の表紙デザインを手掛けた世界的グラフィック・デザイナー、田中一光「故人」氏の常用システムであったことがある。
外形寸法:W950×H730×D500mm


1958(昭和33年)
レンジャー・ミニゴンC46
密閉型 2ウェイ 2ユニットスピーカーシステム $522.000(Stero pair)

パラゴンのステレオ効果をミニチュア化した、セパレートタイプの粋なシステム。
 曲面の反射パネルを採り入れたシステムには、コンソールタイプのメトロゴンと、このミニゴンが存在した。とりわけミニゴンは、通常のスピーカーシステム同様、左右に離して設置できるので十分なステレオ感が得られる。フロントグリルのデザインは、写真のクロス張りの他に、木製のルーバー付きのモデルがあり、ユニット構成も、下記の2ウェイシステムと、フルレンジの名作「LE8T」使用のシステムを選ぶことができた。
JBL レンジャー・ミニゴンC46ミニゴンの構造図と使用ユニット このミニゴン、日本にも少数が輸入されていたようだが、ステレオサウンド誌の自作製作記事で、マニアにも広く知られるようになった。
クロスオオーバー周波数:1500Hz
外形寸法;W1624×H327×D400m



JBL アポロ C51 1958(昭和33年)
アポロ C51 
バスレフ型 汎用エンクロージャー
格子グリル付き $225.00
クロスグリル付き $174.00
オリンパスの先駆。その
ファニチャー感覚の意匠が
美しい。
 ギリシャ神話の音楽の神、アポロンの名に相応しい。格子グリルにはチークと黒檀が使われている。適合ユニットは一応指定されていたが、それにこだわることはなく、JBLの ユニットの中から、フルレンジまたは、ホーン・ドライバーによる2ウェイ、3ウェイと、自在に選んでアセンブリーできた。
 なお、オリジナルが日本に輸入された形跡はなく、もっぱら、進工舎などが国内向けに製造していた。
外形寸法;W670×H670×D460cm


JBL オリンパス D50S8R
1965年(昭和40年)
オリンパス D50S8R パッシブラジエター方式
3ウェイ 6ユニットスピーカーシステム ¥560.00(格子グリル付き1台/1968年当時)

ギリシャ神話の神々の山「オリオンポス」、その名に恥じない’60年代後半のエクセレントモデル。
 レンジャー・パラゴンの登場からほぼ10年。それと同じユニットにパッシブラジエターユニットを加えたシステムである。ただ、部屋にセットしてアンプに繋げば、対価に見合った音が鳴るということではない。オリンパスの使用ユニット
 その可能性を性を引き出すには、まず何よりも、オリンパスのサイズを意識しなくてすむ部屋の広さが必要だ。左右の間隔も1メートル以上は空けないと十分なステレオ効果は得られない。その上で、ショートホーンからダイレクトに放射される「375」ドライバーのエネルギーを、凄みのある生々しい音で引き出すか、クラシック弦の艶やかな美音として引き出すかは、使い手の感性と努力による。湿度が高くなる梅雨時などは、パッシブラジエターの調整も不可欠だ。
 今でも、客寄せに「オリンパス」で、ジャズを聴かせる店は少なくないが、ついぞ感心する音に出会ったことがない。中には、狭いスペースに天板の庇をくっつけて、無理矢理並べてるケースもある。こんなことで、よい音の鳴るわけがない。
 一般には、ホーンドライバーに「HL91+LE85」を使った2ウェイバージョンの「C50S7R」(¥351,000)の方が鳴らしやすい。
クロスオーバー周波数:500Hz、7000Hz 
外形寸法:W1020×H670×D510mm

JBL ランサー 1011965年(昭和40年)
ランサー 101
バスレフ型 2ウェイ 2ユニットスピーカーシステム 
¥205,500(1968年当時)

ランサーシリーズのトップモデルとして
その名を歴史に留めた名作。
 ランサーL101の登場したこの年に、サンスイがJBLの総代理店となり、これまでより、JBL製品の試聴と入手が容易になった。とはいえ、当時の国産モデルの中で、最も信頼に足るもの、例えば、三菱のモニター「2S-305」と比べて、4倍近い価格であったことを考えると、一介のマニアには言うに及ばず高値の花であったことは確かである。
クロスオーバー周波数:1200Hz 
外形寸法:W440×H580×D320mmランサーの使用ユニット











1965年(昭和40年)JBL ノヴァ88
ノヴァ88
バスレフ型 2ウェイ 2ユニットスピーカーシステム 
¥114,000(1台/1968年当時)

ブックシェルフシステムとして、
このうえない見事な音、見事なデザイン。

 これまで、JBLのランサーシリーズに代表されるブックシェルフシステムの音は、中高域のトゲトゲしさがクラシックソースにおいて特に気になった。その弱点が、この「ノヴァ88」では影を潜め、しなやかでありながら一段と鮮度を増し、フルオーケストラを鳴らしても全く不満がない。同系のコーンツイターを使いながら、成し得たこの大きな変化は、ネットワークの動作帯域のまとめ方の巧さであろうか。
 そして、和室にも違和感なくとけ込むこのうえないモダンなデザインの見事さ。わが国に輸入されたリーズナブルなJBLのシステムとしては、傑出した存在であった。
クロスオーバー周波数:2000Hz  *外形寸法:W360×H570×D340mm





#1 / Speaker System * #2 / Speaker System * #3 / Sperker Unit * #4 / Amplifierご意見メール! 気ままにお寄せください・・・ads@jcom.home.ne.jp

INDEX

1881〜1945
立体音の発見と
二つの源流

1946〜1957
日本の戦後復興と
Hi-Fiへの熱き試み

1958〜1965
幕を開けた
ステレオの時代

1966〜1970
開花する日本の
独創技術

1971〜1980
4チャンネル騒動と
成熟の頂きに立った
コンポーネント

1981〜1990
AV時代の到来と
CDの登場

INDEX

*国内ブランド
ACCUPHASE
AUDIO TECHNICACORAL
DENON
DIATONE
EROICA & UESUGI
FOSTEX
GRACE
LIVING AUDIO
Lo-D
LUXONKYO
PIONEER & EXCLUSIVESANSUI
SONYSTAXTECHNICS
TRIO & KENWOOD
VICTOR (JVC)YAMAHA

アンサンブルステレオと
セパレートステレオ


*海外ブランド 
ALTECAR
GOODMANS
JBL
JORDAN WATTSMARANTZ
MclNTOSH
ORTOFON
SMETANNOY





 





















 

 

 










































































 





































































































































このページのトップ

*ステレオの産業史|TOP PAGE1881〜19451946〜19571958〜19651966〜19701971〜19801981〜1990
*国内ブランド|ACCUPHASEAUDIO TECHNICACORALDENON
DIATONEEROICA & UESUGIFOSTEXGRACELIVING AUDIOLO-D
LUXONKYOPIONEER & EXCLUSIVESANSUISONYSTAXTECHNICSTRIO & KENWOODVICTOR (JVC)YAMAHA
 |アンサンブルステレオとセパレートステレオ
*海外ブランド|ALTECARGOODMANS
JBLJORDAN WATTSMARANTZMclNTOSHORTOFONSMETANNOY


当ホームページに掲載の画像及び文書の無断転載を禁じます。Copyright (C) 2018 ステレオの産業史 All Rights Reserved.