ステレオの産業史|オルトフォン
ニッポンの技術者は、オルトフォンのMCから
多くを学び、多くのコピー商品を世に送った・・・・。
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ORTOFON ORTOFON A/S

オルトフォン SPU-GT
1959 (昭和34年)
SPU-GT(曻圧トランス内蔵)
ムービングコイル・カートリッジ 
GT(丸針)¥21,900   GTE(楕円針)¥24,500 *価格は1965年当時
MCカートリッジの先駆。6半のフルレンジでも効果は絶大。
 ステレオレコードが登場した翌年の発売である。以来、MCカートリ
ッジの先駆として、わが国の業界に与えた影響ははかりしれず、多くの模倣と亜流を生むことになった。
 それでも、この 「SPU-GT」 が、マニアに広く知られるようになるのは、
60年代半ばになってのことである。当時の日本には、馴染みのないデンマーク製ということが、その一因であったのかもしれない。ところが、これを逸早く研究用として手にしていたのがNHK技研である。将来のFMステレオ放送の実現に備え、ステレオカートリッジの研究に着手していたNHK技研がこれを基に、日本電子音響(現デノン)との共同で完成さたカートリッジが、かの「DL-103」であった。
他にも、サウンド、スペックス、ニートなどの各社からイミテーションモデルが複数発売されていた。
 それが、60年代後半になると、サテンとFRが、模倣から脱した独自のMC型を登場させ、オルトフォンとは対極的な繊細な音として注目された。しかし、これらのMCは、スピーカーやレコードとの相性に過敏で、時には弱点をさらす。それが「SPU-GT」だと、6半のフルレンジといえども堂々と鳴らし、レコードを選ぶ傾向は少なかった。

オルトフォン SPU-A1963年 (昭和38年)頃 *正確な発売年度は不明
SPU-A ムービングコイル・カートリッジ ¥24,000(1963年当時)
確かな音の造形力・・・。
 上記の「SPU-GT」は、誰が使ってもまずは期待を裏切らないのと対照的に、この 「SPU-A」 は、出力の曻圧手段で音の印象が変わり過小評価されていたと思う。それが、1970年代に入って、優れた曻圧トランスやヘッドアンプが内外各社から登場し、独特の音の造形力の確かさが認識されるようになった。しかし、別売のコネクターを介さないと下記のアームが使えないとか、コンプライスが低く針圧が4gほどは必要とあ
って、どちらかといえばプロ仕様と考えるのが妥当である。
オルトフォン RMG212
1965 (昭和40年)頃 *正確な発売年度は不明
RMG212 
ダイナミックバランス・トーンアーム  ¥22,000(1965年当時)
SPU-GTの良さを最も手軽に、しかも理想的に引き出すトーンアームはこれ以外に見当たらない。
 ヘッドシェルの交換はできても重量級のダイナミックバランス型なので、SPU専用アームとして考えるのが妥当。他に16インチ・ロングタイプの「RMG309」もあったが、トラッキングエラーの差は聴感上、検知できないレベルのものなので、神経質になることは不要。ただ、ロングアームの方が見た目が好きという人は別。

オルトフォン MC201976年 (昭和51年)
MC20 ムービングコイル・カートリッジ ¥33,000
新世代MCのリファレンスたる音の良さと安定感。
 SL15を経て登場した新世代MCの名作。この時代になると、プリメインアンプに、かなり優秀なヘッドアンプを組み込んだモデルが登場するなどして、このクラスのMCがより身近になった。
 3年後には、オルトフォン創立60周年記念モデルとして、「MC30」(¥99,000)が登場。価格が「MC20」の3倍で針交換が高くついても、これでなくては、とするオルトフォン伝統の音の良さと安定感が、どんなレコードからも聴きとれた。使用するアームはオイルダンプ型が好ましい。例えば、グレース「G-945S」(¥32,000)、オーディオクラフト「AC-3000MC」(¥65,000)、SME「3009/S3」(¥65,000)等があった。

オルトフォン VMS30 MkII1980年 (昭和55年)
VMS30 MkII MIカートリッジ ¥35,000
タイプは異なっても、やはりオルトフォンの血統を受継ぐ。
 アメリカのADCを元祖とするIM型(インデュースド・マグネット)と同様の発電メカニズムを持つ。オルトフォンはあえてMI型 (ムービング・アイアン)として特許をとった。MI型モデルの系譜は10年と長く、豊富なシリーズモデルで人気を博したが、惜しくも改良型の 「M30E SUPER」でファイナルとなった。音の表情は元祖ADCのIM型とは異なり、ハーモニーが豊かにとけ合う感じは、やはりオルトフォンの血筋を受継ぐ。トレーシング(適正針圧1.2g)性能にも不安がない。なお、同シリーズの交換針は日本精機宝石工業製のものがネットで購入できる。

1980年 (昭和55年)
T20 低インピーダンス専用曻圧トランス ¥48,000オルトフォン T20
オルトフォン専用トランスとしての信頼感。
 この時期は、 MC型の人気を反映して、各社の曻圧トランスとヘッドアンプの製品の多さには驚かされる。また、先にも触れたように、MCポジションを持つプリメインアンプが普通になると、生半可なものでは、単独に購入するメリットがない。かといって、馬鹿げて高いものが本当に良いのか、と迷うわけである。
 その点、この「T20」は、オルトフォン専用の低インピーダンス・トランスということで「MC20」はもちろん、「SPU」タイプにおいても、期待を裏切ることはまずない。

オルトフォン雑感
 冒頭、「SPU-GT」 をMCカートリッジの先駆と書いたが、正確には、ステレオレコードがウェストレックスによって実用化されたとき、ラッカー盤試聴用のMCとして同社の「10A」が存在していたし、のちに、ドイツのノイマン「DTS-62」も原盤試聴用のMCとして登場した。ただ、どちらも業務用のために一般には入手が難しく、仮に入手できたとしても、適合アームを含めた使用法が甚だ面倒で厄介であった。
 そこに、ヨーロッパ規格(のちにわが国の標準仕様となる)と呼ばれたプライング・コネクター付きの「SPU-GT」が登場したのである。ステレオレコードが登場してしばらくは、「音がビリつくとか、歪むとか、セパレーションが悪いというように、うるさいことを言っていた人が、オルトフォンを手にすると、壺中の天にいるが如く、レコード音楽の世界に魅入られていったのである。こうして、わが国でのオルトフォンの名声は築かれた。当時の数ある国産カートリッジでは、決して聴くことのできない、その違いを、西洋音楽の歴史の差といえば、それだけのことだが、日本人の器用さと努力をもってしても、このギャップをなかなか埋められなかったのは、厳然たる事実であった。
 わが国のオーディオ人気がピークにあった1970年代、どのぐらいの数のカートリッジが売られていたか、というと100点は優にくだらないはずである。メーカーの数は、専業、総合大手合わせて25社ほどが鎬を削っていた。それが、デジタル急進の煽りをもろに受け、カートリッジ業界の大半は消滅。その中で唯一、名声を保ち続け生き残ってきた代表がオルトフォンと、そのコピーから生まれたデノンDL-103系のモデルであったことは単なる偶然ではあるまい。
 オルトフォンは今日でも、豊富なMCカートリッジとアナログ周辺機器をラインナップして、この道の好事家たちを楽しませ、惹き付けているのである。
オルトフォンの現行モデルはオルトフォン・ジャパンで検索できます。
 

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