ステレオの産業史|SME
自家用につくったトーンアームが、
改良を重ねて世界を席巻。
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SME SME LIMITED

SME 30091959(昭和34年) 
SME 3012 / 3009 ユニバーサル型 スタティックバランス・トーンアーム
3012(ロングタイプ) ¥29,500  3009(ショートタイプ) ¥28,500
ユニバーサルトーンアーム、独創のオリジン。
 イギリスの伝統的な小都市、ステイニングの小さな町工場から、世界で最も有名になるトーンアームが誕生した。ステレオレコードが前年に発売されたばかりで、モノラルレコードよりも遥かに複雑になったレコードの音溝を、これまでのどのアームよりも正確にトレースすることをSMEは可能にしたのである。
 そのアームには、デンマーク・オルトフォン社のプラグインコネクター (後に世界標準仕様になる) 付きヘッドシェルが装備され、 カ
ートリッジの交換が簡単に行えるように配慮されていた。さらに針圧直読の目盛りを兼ねたラテレルバランサー、アーム昇降のエベレ
ーション機能、トラッキングエラーを最少に調整できるスライドベ
ース、トレース時の針圧の偏りを矯正するインサイドフォースキャンセラー(初期モデルはオプション)等々、この完璧と思える諸機能が、すでに備わっていたことには、ただ驚くばかりである。
 わが国に輸入されたのは、2・3年経ってからのことで、日本のピックアップメーカに与えた衝撃は大きい。
普通ならば、早晩、模造まがいのモデルが登場しても不思議ではないのに、当時の日本の技術水準では、真似しようにも真似できない精度の高さを示していたのである。1962年、英国工業デザイン連盟のデザインセンター賞を受賞。

SME 3009 Series2 Improvet 1972(昭和47年) 
SME 3009 Series2 Improvet ユニバーサル型 スタティックバランス・トーンーム ¥41,000
軽針圧仕様のユニバーサルアーム。漆黒のレコードをトレースするその姿は、目も楽しませた。
 オーディオ評論家の瀬川冬樹氏(故人)は、このアームの登場を面白く推理した。『SME社が前述の「3012/3009」の製造を打ち切り、この軽針圧専用の「3009」に限定してしまったのは、アイクマン氏(SMEの生みの親で同社のオーナー)が、これまで愛用してきたオルトフォンSPUに見切りをつけ、シュアー「V15Type-3」の新しい音の魅力に惹かれた結果ではないだろうか』と。この推理は、洞察に富んだもので、シュアーは改良モデルを出すごとに、軽針圧のトレーシング能力を向上させ、音質は一段と磨かれたものになっていたからである。特に「V15Type-3」は、当時において、MM型の頂点であり、満幅の信頼を寄せられていた。
 それでも、次第に軽量軽針圧のMCカートリッジが登場してくると、アーム全体の低域共振をオイルでダンプするフ
ルイドダンバーをオプション(¥11,500)として登場させて、オリジネーターとしての先見性を見せたのである。
 SME 3009 Series3 Improvet
1977(昭和52年)
SME 3009 Series3 ユニバーサル型 スタティックバランス・トーンアーム ¥65,000
レコードに吸い付くようなトレースが可能に。軽質量・高感度の究極アーム。
 これまでの伝統を打ち破り、SMEの新たな研究成果が随所に盛り込まれている。一見して分かるように、メインウエイトは支点の上に置かれ、最も理想的なイナーシャ(慣性の法則)が得られる最適の構造である。
ヘッドシェルは固定式。そのため、カートリッジの交換には、オプションのキャリングアームが用意され、カートリッジ個々の特性にあった、インテグレーテッド・アームとして機能させることができた。調整さえ適切であれば、スクラ
ッチノイズも減少するほどで、レコードに吸い付くようなトレースをする。フルイドダンバーは標準装備。

SME 3010-R
1980(昭和58年) 
SME 3010-R / 3012-R ユニバーサル型 スタティックバランス・トーンアーム 
3010-R(ショートタイプ)¥88,000  3012-R(ロングタイプ)
¥120,000   
細部の機構と精度の見直しで、見事によみがえった不朽のスペシャルアーム。
 この頃になると、わが国のアームは、一様に世界水準のレベルを満たし、その数たるや20本余りにも及んだ。この影響で、かつてのSMEの名声は忘れられたかのように見えた。
 前述した「3009 Series 3」の理に叶った構造とトレース性能は、第一級のものであったにも関わらず、その特異なスタイルが、日本の保守的なマニアには、どうやら敬遠されたのかも知れない。
そんな日本のユーザー趣向をつかんでいたかどうかは別として、過去の名作「3010/3012」を復活させたのである。それは、ビンテージ・アームと形容するに相応しい熟成度を示していた。


SME雑感
 トーンアームで世界を席巻した「SME」の社名は、「Scale Model Engineering Manufacture」の頭文字から取られたものである。つまり、設計図を基に精密なスケールモデルを製作す工場で、オーディオ産業とは無縁のアトリエ風の小さな町工場にすぎなかった。ただ、オーナーのアラステア・R・アイクマン自身は、無類の音楽好きで、装置にも凝るHiFiマニアであったことが、アームづくりに手を染めるきっかけになった。それも最初は、お気に入りとして常用していたオルトフォンMCカートリッジ用のロングアームを、さらに、満足のいくように手を加えて、改良を重ねているうちに「3012」のプロトタイプに辿りついた、とされる。
 今日でも、「3010-R/3012-R」の流れを汲む現行モデルが、「M2/M2-12R」として発売されているが、その姿から、昔日の優美な面影を見る事はできない。販売元はハーマン・インターナショナル(株)


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